ジンベイサメ 1956年 海の怪。畏怖というよりは、漁師から大漁を与えるものとして、霊妖視されている。頭部も尾部もわからぬほど大きく、船団の下に入って船を支えていることがあり、その周りには鰹の大群が遊泳して大漁となる。ただしこれに出遭ったのちは、舟に穴が開いてないかどうか調べねばならない。現在でも信じられており、このとき海中の光るところを竿で突くと、沈んで消えてしまうともいう。海の怪物というより、鯨か鮫の一種で、今でも生息しているといわれている。
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ジンベイサメ 1956年 海の怪。畏怖というよりは、漁師から大漁を与えるものとして、霊妖視されている。頭部も尾部もわからぬほど大きく、船団の下に入って船を支えていることがあり、その周りには鰹の大群が遊泳して大漁となる。ただしこれに出遭ったのちは、舟に穴が開いてないかどうか調べねばならない。現在でも信じられており、このとき海中の光るところを竿で突くと、沈んで消えてしまうともいう。海の怪物というより、鯨か鮫の一種で、今でも生息しているといわれている。
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ジンベイサメ 1956年 海の怪。畏怖というよりは、漁師から大漁を与えるものとして、霊妖視されている。頭部も尾部もわからぬほど大きく、船団の下に入って船を支えていることがあり、その周りには鰹の大群が遊泳して大漁となる。ただしこれに出遭ったのちは、舟に穴が開いてないかどうか調べねばならない。現在でも信じられており、このとき海中の光るところを竿で突くと、沈んで消えてしまうともいう。海の怪物というより、鯨か鮫の一種で、今でも生息しているといわれている。
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バンレイ 1974年 東京都 天明年中、ある者が鰻を仕入れたが買った覚えのない大鰻が2匹混っていた。裂こうとしたが手慣れているにもかかわらず錐で手を刺してしまった。他の者がさばこうとすると腕に巻きついてきて、尾で脇腹を打ってきた。助けるつもりはないからおとなしくしろと言ったら料理できたが、死体を焼く匂いがした。その夜丑3つ時のころ、鰻の生け簀の所でおびただしい音がして、驚いて行ってみると、上にのせた石はそのままだった。中を見ると多くの鰻が蛇のように睨んだ。もう1匹の大きな鰻は消えていた。
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コスイノヌシ 1970年 福島県 湖水の水が氾濫して、鯉がたくさん昇ってきた。その中に特に大きな緋鯉がいた。それを網元の家中で食べると次々と家の者が病気になった。鯉の霊の祟りで、供養をするから恨みをとくようにと頼むと家の人は全快したが、網元の主人が湖水に舟をこぎ出したときにいくらたっても帰ってこないので捜しに行くと湖水の真ん中で泡を吹いて倒れていた。網元の食べた大きな緋鯉は湖水の主の連れ合いで主はどうしても主人だけは許せなかったのである。
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マツ,カイブツ 1922年 岩手県 上閉伊郡栗橋村字古里に大きな松の木があり、日光を遮っていた。耕作物の邪魔になるので伐り倒そうとしたが、次の日になると元に戻っていて伐ることができなかった。ある日夢に一人の翁が現れ、木の伐屑を毎夕方に焼き棄てれば成就すると告げた。言うとおりにすると木は倒れ、それを用いて船を造った。しかし、不思議なことに船は一夜のうちに姿を消してしまった。あるとき、漁夫が橋野川の川上で得体の知れないものを見つけ、大权で突き刺した。一度帰り、次の日再び現場に行くと何もいなかった。探している内に漁夫は狂い、あたりは風雨となり大洪水が起こった。一夜たつと河口に突如として奇岩が現れた。人々は、漁夫の突き刺した怪物の化身だと言い囃した。
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カイギョ,ヤマメ 1934年 静岡県 明治34年の夏、淵に1尋もある奇怪な大魚が泳いでいた。網を投げると網がズタズタにされるので鎌に長い柄をつけて突き刺して捕らえた。大きさは4尺に近く、暗灰色で虹色の斑点があった。怪魚の正体はヤマメのずば抜けて大きなものであった。
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アクギョ 1980年 加賀国にいる井筒屋勘六という者が、ある時に船で海を渡ることがあったが、途中船が動かなくなった。船頭は悪魚の背中に乗ってしまい、やがて船を引っくり返して人々を食うだろうと嘆き、こういうことはまれにあることだと言う。
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フチノヌシ,ウナギ 1981年 和歌山県 鍋淵である男がタライに何回りもある大鰻を釣った。気味悪がって吊った男だけが食べたが、口がしびれて腹痛がするので祈祷師に見てもらうと、その鰻がつがいの鰻も釣ってくれと言っているというので、もう一匹も釣って食った。その男は数日して死んだ。淵の主の祟りだろう。
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アワビ 1928年 千葉県 岸和田の海岸には大きな鰒魚が住んでいて、大傘を開いたほどの大きさであったという。誤ってその殻に触れると海が荒れると信じられている。ひとりの乙女が船人である恋人に会うために鰒魚を怒らせようとしたが、度を越してしまい、乙女の船は転覆し、これを助けにいった男も海の藻屑となった。
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サケノオオスケ,オオスケコスケ 1936年 秋田県 ある年、アナギリ淵で年に一度彼岸の日に網に穴をあけて魚を素通りさせる慣例があったが、それを忘れていて大きな鮭の王スケを捕えて食べてしまった村人がいた。その晩、その王スケが夢枕に立ち、末代まで祟ってやると言った。それ以後、その家には代々不具者が産まれるという。また、毎年その日になると鮭が「王スケ小スケ今遡る」と叫んで川をのぼるが、それを聞くと患った後に死んでしまうといわれている。
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オオアワビ 1967年 千葉県 岸和田で美しい海女とねんごろになった若者がいたが、働き者で沖へばかり出ていた。海女は淋しくて、海がしけるのを望んでいた。触れると必ず海が荒れるという大鮑が浦の沖に住んでおり、海女は毎日海を荒らして若者と会った。ある日、あらしを一時におこそうとして、数日分の大しけがおそってきて、たくさんの船が難破した。海女は若者が心配になって沖へこぎ出したが、大鮑の附近に近づくと、そちらへ吸い込まれた。これをはるかに見た男は女の舟を追ったが、ついに海女は舟とともに沈んでしまった。
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ウミナリ 1933年 台湾 1850年ごろ、大安に寄港した船に若者が雇い入れられた。土地の人々は沖遠く船出することを嫌忌しており、若者を止めたが、若者は船に乗り込んだ。若者は海に出ると日増しに恐怖に襲われ、得体の知れない病気に罹り、ついに死んでしまった。その後、若者の望みどおり死体は大安に帰された。若者を待っていた恋人の女は若者の死をしって狂気となり、海に身を投げた。その波紋が沖に広がっていったとき、沖から恐ろしい海鳴が聞こえてくるようになったという。
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アサトガミ 1929年 鹿児島県 手久津久の船は湾で一艘の見知らぬ船に泊を頼まれた。同時に大船から早く泊へ引き返せといわれ急いで見知らぬ船とともに泊の入り口まで引き返した。たちまち海は荒れ、恐ろしい風化となった。浜へ上がって湾をみると、船はひとつ残らず波にのまれていた。大船の主は気象を知らせるあさと神である。
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フチノヌシ,ウナギ 1981年 和歌山県 昭和初年に炭焼きさんがカロト滝の滝壷の鰻を毒流しで捕って食べたら、祟りで死んでしまった。唐傘ほどの太さだったという。拝んでもらったらこの鰻は淵の主で、2匹いたうちの1匹は別の谷に逃げていて助かったということがわかった。
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カツオリョウ,オオカジキ 1972年 沖縄県 明治39年(1906)本土より鰹漁が伝えられ、島の漁師も鰹漁を始めた。計佐(けざ)という漁師が鰹漁に邪魔な大カジキを銛にて突いたところ、計佐は夕方に帰港する頃には息絶えていた。
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ミケノロウビョウ,オケサ 1984年 新潟県 お婆さんがかわいがっていた老猫が姿を消し、美しい娘があらわれて自分は三毛だという。それから間もなく江戸深川におけさと名乗る遊女があらわれ、その唄が「おけさ節」としてたいへん流行する。ある夜おけさのもとへ船頭が遊びに来て、夜中に遊女姿の大きな猫が食べ残した魚の骨を食い荒らしているのをみてしまう。口止めをされた船頭は翌朝には話してしまう。そこへ突然大きな黒雲が湧き、その上に大きな化け猫が乗って、その船を襲い、船頭を空へ巻きあげて雲の中へ姿を掻き消してしまった。
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コウシン,サブト,ムジナ 1963年 新潟県 ある晩、漁師達は山が崩れて港が埋まると叫ぶ声を聞き、大急ぎで船を出した。しかし1人だけ庚申を信仰していない船頭がおり、彼だけはその声が聞こえず生き埋めになったという。
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スイジン,ダイジャ,ヘビ,ダイサンオオジ 1929年 東京都 大昔、近江の琵琶湖に住む漁夫が、不漁の続く際娘を捧げるかわりに大漁を祈った。すると魚が良く捕れ、水神が蛇となって娘をもらいに来た。娘は白鳩になって逃げ出し新島まで追い詰められた。新島の三島明神の大三王子は怒って大蛇を斬り、頭を八丈島、尾を大島、銅を新島に飛ばした。だから八丈島の蛇は人に食いつき、大島の蛇は人に巻き付くのだという。
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イナリマルノソウナン、フナダマサマ、モウレンブネ 1956年 宮城県 明治43(1910)年旧暦8月21日女川町塚浜を出帆した木村幸吉所有の大型船稲荷丸は,23日金華山沖で時化に遇い転覆,乗組員は海に投げ出された。船霊様に供える昼食を炊いていたカシギ(炊事係)の養八は,海に放り出されても夢中で釜を離さずにいると,誰かが後ろから押し上げて船に寄り付かせてくれた。一方,22日の朝食時に後輩丹野甚吉に対し仏前に供える一杯飯のように箸を突き立てた山盛飯を差し出した米倉悟,そしてその仕返しとして夕食時に一升近い飯に箸を突き立てて悟に差し出した甚吉の二人はいずれも行方不明となってしまった。
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