ライジン 1921年 戸次道雪が木陰にいると俄に掻き曇り落雷したので庭中を遁走した。道雪は刀で雷と思しきものを切っていったが、自分も身体を損じた。また、上杉謙信の太刀のひとつ兼光は、ある百姓が雷をよけようとこれを頭上に差し上げたところ、切先が血に染まっていた。雷をきったに違いないということになり、謙信のものとなった。
 類似事例 |
|
スガワラミチザネ,カミナリ,カミ 1931年 兵庫県 菅原道真は筑紫に流された後、昇天して魔物になり、時平を殺そうと思っていたが、どうしても昇天することが出来なかった。そのとき、斧から千本の針を作ろうとしている老人に出会い、自分が天に昇ることができないはずはないと確信した。高い岩の上から飛び、遂に昇天した道真は雷になって時平をつかみ殺したのだった。そのときの老人は神であったといわれている。
 類似事例 |
|
カミナリ,カミナリサマノスガタノアト 1999年 栃木県 激しく雷がなっていた日に、雷が家の庭に落ちた。見に行ってみると、木がひび割れていて、そのすぐ側には太鼓を背負った雷様の姿がくっきりと残っていたそうである。
 類似事例 |
|
レイケン,カミナリ 1975年 謙信秘蔵の太刀が3振りあった。その内の竹股兼光という刀の元の持ち主が、山中を通っていると、雷が落ちてきそうな様子だったので、刀を頭上にかざし目を塞いでいたところ、しばらくすると空が晴れた。太刀や頭・衣服は血に染まっており、雷は落ちたものの、太刀の威徳で無事だったものと思われる。
 類似事例 |
|
アクゲンタヨシヒラ 1921年 大阪府 難波三郎經房は、悪源太義平が雷となった夢を見た。次の日清盛入道浄海の供にしたがった經房は、一天俄に掻き曇り雷鳴が鳴り響いたのをみて刀を抜いたが、一朶の雲に覆われ、それが晴れたころには黒焦になり、抜きかけた太刀はそりかえっていた。
 類似事例 |
|
カミナリ 1934年 台湾 雷が天から降りて美青年となり、美しい娘のいる家に婿入りして、様々な神の力を現し、その家を裕福にした。
 類似事例 |
|
シロキジュバンヲキタルオトコ 1975年 庭の蘭の葉の間から火が上ったのをある武士が見た。その人は家中の者に暫く私に刀剣を渡すなと言いつけまた庭を見た。すると白襦袢の男がやりを持って入ってきた。刀を求めたが家中の者は渡さなかった。今一度見ると男も火も消えていた。隣家の者が乱心した。
 類似事例 |
|
ライジン 1921年 愛知県 農夫が田に水を引くときに雷が落ちた。雷は童子の姿となり、農夫の子供に生まれて恩を返すと命乞いをした。農夫には頭に蛇を二回り巻いた子が生まれた。これが道場法師である。
 類似事例 |
|
オニノテ 1974年 ある人が葬式の時雷が鳴り、棺桶の上に黒雲がかかり、黒雲の中から熊の手のようなものが出てきた。抜き打ちにして斬ると雲は消え、跡に血だまりがあり、毛の生えた物が落ちていた。その刀を火車切と名付けた。
 類似事例 |
|
カミナリ 1975年 愛知県 敏達天皇の御時。尾張の農夫が夏の頃、田に水を引いていると、空が曇り雷雨になった。農夫が木陰にいると雷が落ちた。その形は小児のようであった。農夫が打ち殺そうとすると雷は命を乞い、汝のために異なる子を産ませようといった。ほどなく農夫の妻が懐妊した。生まれた子は怪力で、元興寺の鬼を殺した。小児は僧になり、道場法師と名乗ったという。
 類似事例 |
|
カリマタノイズミ 1929年 鹿児島県 為朝は永い間さ迷ったあと、喜界ヶ島にたどりついた。気の早い為朝は、弓を取り出してガジマルの森目掛けて打ち放った。従者が走って岩の上に突き立った矢を引き抜くとそこから珠のような水が湧き出した。今でもかりまたの泉は清く豊かに湧いている。
 類似事例 |
|
ドウソジン 1987年 長野県 道祖神は子供の運勢を見てくれる神様だった。昔,ある家で子供が生まれたのでその子の運勢を見てもらうと,「この子は刀鍛冶になれば出世する。ただし,虻が敵となる。」と言われた。この子は大きくなって名のある刀鍛冶になったが,ある日虻が飛び回ってうるさいので持っていた刀で斬ろうとしたら,虻ではなく自分の首を斬って死んでしまった。道祖神様の言った運勢が当たったのだという。
 類似事例 |
|
イトトリムジナ 1956年 山梨県 行燈のそばで糸を繰っている老婆が気味悪く笑うので、鉄砲で打ったが手ごたえがなく、傍らの行灯を撃つとキャッといって倒れた。のちに古狢正体をあらわしたという。
 類似事例 |
|
ヒヒ 1921年 徳島県 刀鍛冶海部氏吉が突然訪れた刀鍛冶と刀剣百振を競鍛することになった。その刀鍛冶が鉄をとって一しごきするとすぐ刀になるのを見て、氏吉の妻は妖怪変化と見抜き、雉に東天紅を鳴かせた。すると刀鍛冶は狒の正体をあらわにして逃げた。
 類似事例 |
|
ダイジャ,チザクラ 1936年 福島県 大旱の時、水を引こうとすると、出口を大蛇がふさいでいたので、一人の若者が刀をくわえて飛び込んで大蛇を切った。その血しぶきのかかった桜は伐ると中から血が出るという。
 類似事例 |
|
ボダイジュ 1988年 茨城県 敗れた武将が逃げる途中、山の祠で力尽き、刀を地面に突き刺して死んだ。その刀から葉が出て、ぼだい樹になった。枝葉を粗末に扱うと災難があると言う。
 類似事例 |
|
クダ 1928年 長野県 2人の行者が歩いていたら雨が降り出した。1人は法力を用いて濡れずにすんだが、もう1人は法力が弱くて濡れてしまった。悔しいので殺そうとクダを使ったが、逆にクダが殺された。そこで上等のクダを使うと、さすがの法力も及ばず、行者は殺されてしまった。
 類似事例 |
|
ダイホウシ 1974年 鹿児島県 薩州のある人が延宝6年冬の夜道を歩いていると、貝を吹く気配が額に当ってきた。再び当る様子なので、額に刀を構えたら脇にそれた。翌年春亥の刻に座敷にいると、窓から顔が3尺程の大法師が覗いていた。斬りかかったら肩を掴んできた。切っても綿などを切る様だった。「妖者をしとめた」と声を立てたら消えた。
 類似事例 |
|
ライジン,オカミ 1980年 豊後風土記によると、龗というものが雹や雪を降らせるとあり、これを追い払うには物を鳴らせるのがよいという。ある山国では雷狩といって、雷を追う行為をすると必ず遠くへ退くという。すなわち雷とは雷神で、雲を操作するのは龗であり、物を鳴らすことによって両者が退くのである。
 類似事例 |
|
ライジンノタイコ 1932年 山形県 ある旅人が山頂の風穴に吸い込まれて天上に着き、雷鳴の太鼓叩きをすることになったが、興じすぎて雲を踏み外し、下界の羽黒山に落ちた。雷が落ちたと集まってきた人々に訳を話すと、雷神の太鼓は雲で作られておりどんな病気も治せると言われる。はたしてその通り、病人の前で叩くと忽ち全快した。
 類似事例 |
|