ヤマノカミ,タイコ 1975年 高知県 芳川部落の向かいの山で、夜の9時か10時頃になると太鼓が鳴り出す。法印さんを呼んでわけを尋ねると、これは山の神のお怒りで近く山が荒れる前兆だという。そこでえらい太夫に山鎮めのご祈祷をやってもらうと太鼓の音は聞こえなくなった。
類似事例 |
|
アリクラノババ 1935年 岐阜県 昔小鳥山の南の方が鳴動した時、老婆が7日目の夜に神に祈り門口に錐を立てたら音は止んだ。また、温泉があったが若者の為にならないと老婆が馬の爪を湯の中に入れたところ温泉が冷たくなった。
類似事例 |
|
オト,コエ 1975年 高知県 杉の尾山は昼日中でも大きな音がする。人を呼ぶ声が響くと必ず山が荒れるので、村人は恐れて山の神を祭り山鎮めのご祈祷をした。明治になって営林署が管理するようになっても四方鎮めを行ったことがある。
類似事例 |
|
〔オオカグラヤマ〕 1987年 長野県 群馬県との境にある。昔,山の麓で木こりが数人木を伐っていたところ,人気のない山なのに山の頂でかねや太鼓の物凄い音がしたという。驚いた木こり達は相談の結果,神社を建ててお祭をすることになった。その後は不思議なことや物音は起こらなくなった。また,この山に雨乞いすれば必ず雨が降るとされる。
類似事例 |
|
オーギトウ,(キトウ) 1938年 福島県 村に悪疫流行または盗難などの変事があった場合は、法印を頼む。依人に幣束を持たせ、法印が祈ると神が依人に乗り移る。問題の事を伺うと神がこれに答える。
類似事例 |
|
テング 1942年 高知県 昔、ある男が、天狗から法を授かったと伝えていて、種々の呪禁や祓いなどを行っていたが、ある祭で天狗と長時間問答をしたが、村人には天狗の姿も声も聞こえなかった。後の人はそこを天狗岩と言って年に一度祭を行っている。
類似事例 |
|
ホウインサマ,ロックウサマ,カネガミ,ドウツウサマ,ゲドウ,ヤコ,タヌキ,ヘビ,キノヤマサマ 1970年 岡山県 昭和の初めごろまで備中には法印さんと呼ばれる山伏たちがいて、長引く病人が出たりすると祈祷をした。多くはロックウ様(火の神,竈戸の神)や金神のといった神々の機嫌を損ねているのだが、道通様と呼ばれる蛇の霊などが他人に憑けられていることがある。野狐、狸、その他ゲドウ(下道)と呼ばれる低級霊が憑いている場合は、法印が祈祷して落とす。とりわけ低級のものになると、病人が狸なら狸、蛇なら蛇のような仕草を見せる。さらに低級で性質が悪くて執念深く、法印の手に負えない場合、最後の手段として木野山様に頼る。今津の木野山神社から1週間、御分霊を勧請するとどんなに質の悪いものでも逃げ出す。
類似事例 |
|
〔カイカ〕 1968年 愛媛県 60年ほど前、ある峠の8合目あたりに、提灯の灯りが見えた。しかし、麓から提灯を持って登った人の火と、峠の火が途中で出会うのが下からは見えるが、本人には見えなかった。占ってもらうと、村人の先祖の悪霊が悪事を働いていることが分かったので祈願するとその怪異はなくなったという。
類似事例 |
|
ヤマガミ,テング 1973年 富山県 ある時炭焼き小屋に泊まっていると晩の八時ころ突然ドンドコドンドコと太鼓のたたく音がした。そこでお祈りすると聞えなくなった。山神は地方によっては天狗だともいわれる。
類似事例 |
|
〔ヤマガミノホコラ〕 1978年 山梨県 甲州都留郡忍草村の阿福という女が山神にその治病を祈ったところ、たちまち風雨になり雷鳴がとどろいた。
類似事例 |
|
タヌキ,(ヤマバヤシ) 1998年 静岡県 狸は色んな声を真似ることができる。狸の神楽などを一度も聞いたことのない人がほとんどいない。ある日、山に登った五人の男は突然役場の鐘の鳴る音が聞こえたが、その方を眺めると煙などが見当たらなかった。狸の仕業かもしれないと思い、落ち着いて村に戻ったら、やはり何のこともなかったという。
類似事例 |
|
〔ミズイデノサンジン〕,〔カラフカノヤマンバ〕 1931年 長野県 蓼科山には水井出之山人、虚深之山姥という鬼がいる。正徳5年の秋、山で木を切ろうとしたとき、木の唸る声がした。そのうち鐘の音や笛の音が混じり、音楽のようになった。4、5人がしわがれた声で笑ったり泣いたりする声もしたという。その後から、ひとりで山に行くときは酒を供え、木を伐る理由を権現に訴え、祈ってからきらないと祟りがあるといわれるようになった。
類似事例 |
|
ヤマナリ,ヒカルモノ,ダイジャ 1979年 京都府 長老ヶ岳の登り口に大松という谷があり、昔、ここで山鳴りやひかるものが絶え間なくあった。ある人が原因を探ると、奥にあるほら穴が鳴っていた。ここにいた大蛇を龍王として権現をまつったところ、山鳴りが止んだ。祭日は7月9日である。鳥居の所に女人堂があり、女の人が権現までまいることはできなかった。
類似事例 |
|
テングサマ,スイテングウ 1975年 新潟県 孫ジイさんが祈祷をしていると下女に神が憑き、ここを出て中峯に行くと告げた。その後風の音が聞こえ、1ヶ月ほどは神がかりも起きなかった。4ヶ月後、中峯様が戻ってきたと告げられ、祈祷殿を建てると、病気祈祷の参拝者も多くなった。ジイは神主となった。
類似事例 |
|
テングノキタオシ,タイボクニオノヲアテルオト,タイボクノタオレルオト,カイオン 1982年 新潟県 長野県境の布目という山地に小屋を建てて木を伐りにいった。若い衆5人、御飯をする女衆2人でいった。小雨が降る晩の夜中に遠くからカーン、カチーンと大木に斧をあてる音がしてきて、音はだんだん近づき大きくなり、メリメリメリ、ザーッと大木の倒れる音がした。小屋にのしかかってくるような音で、おそろしかった。その音は小屋にいる全員が聞いたという。朝に外へ出てみると大木などは倒れていなかった。これは、天狗の木倒しという怪音だといわれている。
類似事例 |
|
ヤマノカミガサワグ 1995年 埼玉県 上山では山の神が朝、笛太鼓で騒ぐことがある。
類似事例 |
|
シンボク,タタリ 1989年 長野県 御神木を使って建てられた家があった。その家では日暮れから朝に顔を洗う頃まで小嵐様の方で太鼓が鳴るのが聞こえるので、近所の人に聞くと「聞こえない」と言われる。ある人に言うと、きつねかむじななので退治してやると言われたが効果がなかった。それから2・3日してその家は焼けてしまった。が、ご神木だった木だけは焦げただけで焼けなかったのでそれを使って仮小屋を建てたところ、また太鼓が鳴るようになった。それで神様の木だと判ったという。
類似事例 |
|
カイホウシ 1961年 山梨県 菅原村付近一帯が湖だった頃の話。七里岩の中程に御崎という所があるが、そこに大きな岩がある。村の人たちが薪木取りに行くと1人の怪法師が来て、「向こうの山(駒ケ岳)に一飛びに行って見せる」という。法師は呪文を唱えたかと思うと体が浮き、空高く舞い上がって向こうの山に姿を消した。法師が立っていた岩を見ると法師の足跡が残っていた。
類似事例 |
|
カミノシラセ,タイボク,タタリ 1978年 愛媛県 昔下本町に大きな木があり、ある年に夜になるとコーンコーンと鳴り出した。それから一年位して、人が死んだり病気が流行りだした。木がなったのは神の知らせであり、それをさとった村人は木に祈りをしたり捧げ物をした。すると不幸もなくなった。
類似事例 |
|
タケノノボリ 1987年 長野県 昔,日照りが続いたとき,村人達が夫神岳と女神岳に「大雨を降らせてくれればあらん限りの供物をささげます」といって祈願した。そして長い布を竹の先に張って竜神をあらわし,幾つかの幟を立ててまず夫神に登って祈った。すると不思議なことに,夫神岳の上空に九頭竜のような形の霊体が現れて女神岳の上空に進み,山を包んだ。すると間もなく大雨が降ってきて村人達は助けられた。
類似事例 |
|