テンサラバサラ 1952年 山形県 テンサラバサラは雷様と共に降ってきた天からの授かり物だ。佐藤家のものは真っ白で丸く、兎の尾の先を切ったような形である。小豆大の大きさで白い毛が密生している。白粉を食べて段々大きくなる。子供を産んで増え、持っていると良いことがあるという。
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テンサラバサラ 1952年 山形県 テンサラバサラは天から授かったもので、飼っているとその家はとても幸福になる。弥惣兵衛家では、明治36年に地上1m位のところを飛んでいたのを拾った。土蔵の改築時に紛失してしまい、その後不幸なことが続いた。
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カネダマ 1996年 神奈川県 カネ玉という直径20センチ程の赤い火の玉のような玉を見ると金持ちになると言われているのは知らないが、空を飛ぶのを見たことはある。
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ハビ,ハビヅカ,マムシ,タマンコ 1985年 和歌山県 ハビ(マムシ)が交尾するときに幾重にも重なり合って固まりになっているものをハビ塚という。この真ん中にタマンコという小さな丸い石があることがあり、これを持ち帰って家の神とは別に祀ると金持ちになれると伝えられている。実際にこれで金持ちになった人がいた。
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カミナリ 1992年 茨城県 雷棒は稲敷郡桜川村浮島の旧家にある石棒。大雷雨で倒れた老樹の中から永さ三〇センチの短刀形黒色の石が発見された。雷神の太鼓のバチと伝える。
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カミナリ,カミナリサマノスガタノアト 1999年 栃木県 激しく雷がなっていた日に、雷が家の庭に落ちた。見に行ってみると、木がひび割れていて、そのすぐ側には太鼓を背負った雷様の姿がくっきりと残っていたそうである。
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(ヒルイシタモノ) 1980年 茨城県 常陸国の吉影に住む作十郎という百姓の家の前に飛来したものは、5尺7寸(約170センチ)ほどの大きさだった。作十郎はそれを弓で射殺そうと思ったが、あまりに慌てて射ることができなかったという。
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ボンボコヤリ 1956年 宮城県 竹に瓢箪と吹流しをつけたものが「ボンボコ槍」といわれ、縁起物とされる。火伏せになるといって人々が買い求める。
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リュウセキ 1976年 新潟県 越後国蒲原郡勝屋村のある百姓が、山で径5、6寸ぐらいの丸い石を拾ったところ、ある日、石が二つに割れて中から煙が立ち昇り、にわかに雷鳴大風雨がおこった。割れた石の中には丸い穴があったという。
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ノヅチ 1965年 岐阜県 河合村角川の岩塚茂さんは去年五月に稲越谷で見た。直径五寸、長さ三尺位で、両端がすとんと切れていた。ピカピカとダイヤ硝子のように青みを帯びて光っていた。
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インガミ 1977年 鹿児島県 大正年間に、四国から来た人からインガミを買った。インガミを祀ると家が栄えるとか、金持ちになるとか言われて買ったらしい。
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ライチョウ 1975年 千葉県 安房国の二山では、毎年正月に皆が集まって雷狩と称し、雷鳥を獲るという。多く獲って殺せば、その夏は雷鳴が稀で、あっても少なくなる。もし雷鳥を多く獲れなかったら、雷もまた多いといわれている。その形はイタチのようだという。一大奇事というべきだろう。
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テンジクバナ,テング 1984年 福井県 5月8日にタケの先に7種の花をくくりつけたテンジクバナを立てる。7種類の花はフジ・ツツジ・ヤマブキ・ギボウシ・スズメノチャブクロ・コゴメ(クサソテツ)・ボタンである。これは、家の東の方角に立て高ければ高いほどよいとされる。天狗にだまされたときにはテンジクバナを持って探しに行くとよいといわれ、見つかったらこれを燃やしてその煙に当てるとよいという。
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アンナカイケノヌシ,ダイジャ 1991年 茨城県 安中小学校の前に安中池というのがあったが、その池には主がすんでいて、それは大蛇だった。ある雨の降る日に農家の人が用足しに行って帰ってくると池の淵に女の人がいて、送ってくれないかというので送る。今の本郷中学校よりもっと先に池があってその池のほうへ参ると、途中で道がわかったからいいという。女の人は、明日必ず雷が鳴る、そしたら無事に着いた証拠だからといった。次の日には雷が鳴ったのでそのお百姓さんは喜び、それ以後はおじさんは丈夫でお金に恵まれたという。
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ヘビ 1971年 茨城県 昔、百姓が田に水が無くて困っていると、立派な男が「雨を降らせるからお前の2人の娘のうちどちらかをくれ」と言ってきた。承知すると、たちまち雨が降った。妹娘が行くことになり、当日婿様が来て、紙包みを預けていった。開けずに待っていたら婿様は帰って来なかった。紙包みを開けてみると、中身は蛇の殻だった。
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(ゾクシン) 2001年 鹿児島県 雷が鳴るときは、布切れで作った左綱に火を点けくすぶらせながら軒下に下げておいたり、庭に投げつけておくと落雷の心配はないと言う。往事は軒下に左綱を下げその下に水桶を置いて杓子を添えて放置していた。これはウヤホウの神が落雷の出火を消してくれるからという。
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テングノトックリ 1995年 京都府 京都の相楽郡南山城村の民家で奇妙なものを見せられた。長径15センチ、短径10センチほどの楕円形をした壷ようの物で、木津川の護岸復旧工事の時に土の中から出てきたという。村人はこれを「天狗の徳利」と呼んでいる。淡海で産出する高師小僧と同様に、土中の鉄分などが固まったものではないだろうか。
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(ライフン) 1982年 滋賀県 正徳6年6月12日夕方、大津に雷が落ちた。その家の中に麝香の臍のような物があって良い香がした。ある人が言うには、それは雷糞と言って薬種として効能があるといい、よくあることだそうだ。雷が落ちたところには、必ず何かがおちているという。
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テンドウサマ 1983年 長崎県 徴兵を受け北支那に行ったが、(天道様の)神社の石を3つお守りに持っていったので、弾丸が当ったと思っても当らず、無事に帰ってきた。戻って神社に石を返そうと思って清めてから返そうとしたら、石が真二つに分かれていた。また別の話では、千人針の中へお守りに神社の石を1つ入れていった。マニラで大空襲に逢っても無事だった。お守りの石は無くなっていたという。身代わりになったのだろうか。
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ムジナ 1976年 宮城県 立沢の上流に1匹のムジナが住んでいた。人を化かすが害を与えなかったので立沢太郎と呼ばれて可愛がられていた。ある時ある旦那が祝い酒を飲んで帰る際、立沢を通った。旦那は「太郎や、何でもええから化けて見せろ」と言った。すると、波の音が聞こえ、当り一面が明るくなった。あるか沖合いに船が漕ぎ出され、官女が船縁で扇の的を立てている。すると馬にまたがった武士が泳ぎ出て、弓に矢をつがえて放ち、矢は扇の的に命中、当りは拍手喝采となった。やがて鳴り物の音がおさまると、あたりは元の暗闇に戻ったという。
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