ムジナ,トンチボ,ヤマノカミサン 1995年 新潟県 足し算引き算もできない息子がラジオ屋になりたいというので、石倉大明神に1年7ヶ月願をかけた。ある晩枕元にでっぷりと太った女の人が現れた。息子は一人前になり、石倉さんにお礼を伺うとカミオロシで便所、電気、井戸が欲しいといった。イシクラさんで井戸はどこに作ろうかと思っていると感じる場所があり、そこを掘ると大蛇の骨が出た。イシクラさんの水は難病を治すという。皆はトンチボというが、息子のことも治してくれたのだし、ヤマノカミサンと言わねばならない。
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ダイジャ 1936年 岐阜県 チンマという下女がいた。美しい娘で、チンマの煮る食べ物は味がよく主人に気に入られていたが、何かの事情で長者の家に居られなくなり付近の家に身を隠した。後にチンマの炊事していたところに蛙や蛇の骨が沢山見つかりそれで料理を煮出していたことがわかった。チンマと親しかった青年が池に行きもう一度人間となって会いたいと叫んだが、チンマは頭に六本の角のある大蛇となって現れた。青年は恐れしくなって逃げ帰り、それから池をチンマが池というようになった。
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ジャタイ 1985年 和歌山県 ミナミノクボという所に、大きな蛇体がいたという。ある時、ここに池が掘られた。掘りかけた池に金物を入れたら、池が掘りやすくなるというので、金物を入れた。するとその人は死んでしまったという。
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ヘビジゾウ 1956年 宮城県 釈迦堂公園南裏手の畑地にある蛇地蔵の由来譚。昔,化粧坂の辺りに機織で生計を立てている母娘がいた。いつからともなく,娘の所に毎夜凛々しい若衆が通ってくるようになった。娘が日ごとにやつれていくので,母が娘に若者の素性や名前を聞いたがわからないという。母は寺の和尚に相談し,娘に言い含めて麻糸を若者の裾にこっそり針で縫い付けさせた。翌朝母娘が糸をたどって裏山に登っていくと,糸は草地にある穴の中に吸い込まれていた。二人が部落の人に頼んで穴を掘り返してみたところ,中から大きい白蛇が糸を尾に縫い付けられた状態で這い出してきたので皆で打ち殺してしまった。母娘は白蛇の供養のために懇ろに葬って地蔵を建ててやった。
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ンマデタ,ダイジャ 1993年 沖縄県 昔、ンマテダという母神とヤマヌフシライという娘神がナカズマに降臨した。二神は水量が豊富でおいしい泉をさがして狩俣にたどりついた。そのうち娘神が死に、やがて母神は夢に現れる青年との間に子をもうけた。青年の右肩に千尋の糸をつけた針をさしておいて素性を確かめるとそれは神と名乗る大蛇であった。母神と青年の間に生まれた子テラヌプーズトユミヤは八重山に渡り、ヤーマウスミガを娶って子孫をふやした。
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ダイジャ 1955年 神奈川県 昔、ある人が畑を耕していると、土の中の丸い穴から大きな蛇が出て来た。地面にさしたフズキグワに着物を掛けたまま逃げ出した。蛇はそれを人間と思って呑んでしまった。そのため、蛇は死んでしまい、ある家でその骨を秘蔵していたという。
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ダイジャ 1930年 静岡県 昔、爺さんと娘が行方不明になった。村人が山を捜索していると生臭い風が吹いてきて、水風呂桶のような頭の大蛇が現れた。そこに南部六という猟師が現れ、大蛇を退治しに向かったが、大蛇に殺されてしまった。その後、南部六の双子の娘が父の横死を知り、観音の加護をもって敵を討った後、巡礼の旅に出た。村人は蛇の祟りを恐れ、高徳の坊さんを頼んで蛇骨を埋葬して堂を建て蛇骨山大蛇院と名づけた。
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タシロガタノカミサマ 1969年 秋田県 1938年前後のある秋の日のこと。大館の人が田代潟の神様にお詫びにきたのを、話者が案内した。潟に沈んでいるネキ(埋れ木)を引揚げようとしたら、大雨になって堤が切れ、命からがら逃げた。その翌日には潜水夫がぽっくり死に、他にも不幸が重なった。北海道のゴショサンに聞いたら、潟の神様が怒っているのというので謝りに来たのだった。山に入ると60cmくらいのヤマカガシに遭ったので、ゴショサンが謝ると蛇は帰っていった。潟の神社で神に謝ると、澄んでいた湖面が激しく波打ち、またおさまった。ゴショサンは鳥居につかまってジョンガラ節を踊った。大館の人は病も癒え、生き長らえたという。
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ヘビ 1966年 静岡県 昔、田村将軍が天竜川を渡ろうとしたときに、アリマタの池の蛇が松の木を倒して渡してくれた。そして蛇は田村将軍の妻になり、9尺四方の部屋で子を産んだ。ところが、蛇が赤子の腰のあたりのコケラ(鱗)を舐め取ってしまわないうちに田村将軍に覗かれてしまい、蛇は子どもを置いて逃げてしまった。その子は後醍醐天皇を祀る奥山の半僧坊に祈祷して鱗を取ってもらった。今でも「コケカクシ」という袴が祀ってあるという。
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トンチボ,ヤマンカミサン 1995年 新潟県 シュウオトヤ(婆さん)が弘法峠でトンチボに憑かれた。熱い鍋に手を入れるようなしぐさをしたり、窓に立ち小便をしたりする。風呂を嫌い、握り箸で物を食べる。医者に見せるとチュウキと言われた。アリガタヤに拝んでもらい、餅、魚、酒などをヤマノカミサン(トンチボ)に供してよくなった。
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オオキナヤマカガシ,ヘビ 1937年 愛知県 25・6年前のこと、炭焼き小屋に荷背負いに行ったら、大きなヤマカガシがいた。左右に子か孫かの小さな蛇を随えている。そこで、じきに材木を出す鍵屋の職人が大勢入り込んでくるから、ここにいたら殺されてしまうぞ、と言い聞かせた。その後、ヤマカガシは姿を見せなくなった。
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ニイヤミョウジン,ダイジャ 1935年 群馬県 昔、利根郡にある山麓の長者に、三人の美形の娘がいた。或る日、田舎には珍しい美青年がやって来て、娘をほしいという。断ったが夕刻になると訪れる。不審に思った長者が氏神の新屋明神に祈った。翌夕、明神のお告げに従って青年に笄を渡し、鶏が鳴かない内にこれで溝を掘れという。青年は難なく掘って最後の一掘り直前に、新屋明神のご加護により鶏が鳴いた。青年は大蛇で、逃げた後に石が残った。
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ユメ,ハクジャ,ビシャモンテン 1933年 栃木県 30年程前のある夜、白蛇が現われて、「土中に埋められているから掘り出してくれ。出してくれたら一生安楽に暮らさせる」と言う夢を何度も見るので権現山に行ってさがすと、毘沙門天の像が出てきた。
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ミコ,シリョウ,カミサマ,ホトケサマ,タカイヘンレキ 2001年 青森県 30代初めの頃、墓の移葬を手伝ったところ、頭蓋骨の一部をたまたま掘り起こしたことで死霊にとり憑かれてしまい、突然に体が不調となってしまった。だが、神仏の拝み方などを身につけていく中で神仏の声が聞こえるようになったり、肉体を離れたタマシイだけによる他界遍歴を繰り返したりするようになり、一心にカミサマに祈ったところ癒された。以後、段々と人々の悩み事の相談も受けるようになった。
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ダイジャ 1943年 香川県 昔、当願、暮当という兄弟の猟師がすんでいた。兄は志度寺にお参りし、弟は食料がないので山で狩猟をした。兄は法席で銃声をきき弟をねたましく思ったので、首から下が蛇身となってしまった。弟は兄をかわいそうにおもい、幸田池までおぶっていき、兄の願いをききれ池に入れた。兄は大蛇となって自分の目をくりぬき、この目をかめにいれて酒を造れと渡した。弟は兄の言うとおりに酒を造り、家は栄えた。
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ハクハツノロウジン,セイボ 2001年 鹿児島県 マンマ口説によると、3歳の時に生母を亡くした子が継母の虐めに遭い、実母を捜して旅に出る。しかし何れにも母の姿は無く、浜に下りて行くと白髪の老人が洞穴墓の中に母はいると言った。そこで訪ね共に帰ることを乞うと、母が語るには、自らの身体はすでに骨が石になり肉が土になっているので帰れない。そのかわり朝夕に仏壇にお茶を供えてくれ、そうすれば作物を守ってやると語った。
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キラキラヒカルモノ,ユメマクラニタツ 1989年 山梨県 タカギシゲンザエモンという人が、猟をしにいき、池太神の池の周りを歩いていたら、水面にキラキラ光るものが見えた。「魔物じゃあうち殺す、神ならこの矢にけってとまれ」というと止まった。家に帰って寝たが、屋鳴りがして怖い。夢枕に立ったので、東山の大家のロクベエさんとキタナカムラの人と有志の衆の3人でヨーゴー岩という大きな石の上に置いて祀ってきた。そしたら夢枕に立って、「俺はまだ8町行ったところだ」というので、行ってみると大きなお池があったのでそこに祀った。
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ヘビ 1981年 長野県 池田(イケンタ)の沼に主の蛇がいた。膳椀を貸してくれたが、あるとき村の者が返さなかったので、娘の姿になって天竜川を下って阿南町まで行き、お寺の井戸に入ってそこを池にした。それが深見の淵。寺で鐘をつくと主が暴れるので、その寺は今でも鐘をつかず、代わりに太鼓を叩いている。
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ダイジャ 1994年 富山県 大蛇が池崎さんを好きになった。大蛇は池崎さんの家につながる風穴を作った。池の中央には底無し穴があり、橋まで続いている。
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タツ 1980年 神奈川県 松の大木の根っ子に大きな穴が開いていて、そこから水が流れ出していた。激しい嵐の日に竜が天からこの松の木に下りてきて土に入った穴で、その竜の胴体が五反田のあたりの田んぼにうずまっていると言う人もいる。
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