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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ガマ,オクリカンキリ
1980年 鹿児島県
薩摩藩の相良市郎兵衛は造園が得意で、鹿児島で庭園を造っていた。泉水を掘ろうとしたところ、下から水が湧き出てきたので、休憩をとることにした。すると池の中には百数十匹の蝦があふれていたという。それを干したものをオランダ人が見たところ、それは薬のヲクリカンキリだと言ったという。

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ヨウチュウノツツミ
1976年 鹿児島県
薩州の小敷島の沖で、漁師が海の中に堤が築かれているのを見つけた。その堤は、松の板を釘で打ちつけ、その中に堤を築き、上に松と芝を植えて作られていた。
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ウワバミノヒデン,(オンガエシ)
1956年 宮城県
天保乙巳正月21日,国分村の忠治に聞いた話。ある年,仙台藩支封留守家の家臣花渕善兵衛が海路江戸に行くことになった。藤塚浜の沖で異様な咆哮が聞こえたので,善兵衛は船を岸に着けさせ,単身葭原の谷地を押し分けて行った。湿地に蟒蛇が苦しみうめいており,咽喉の辺りをひどく腫らしていたので,豪胆な善兵衛が手当てをしてやると蟒蛇は嬉しそうに谷地の奥に這い込んで行った。その後,助けてやった蟒蛇が女の姿になって善兵衛の夢に現れ,毒蛇に咬まれない護符と,咬まれた時の治療の秘法を授けてくれた。但し一子相伝で他に漏らしてはいけないという。大変効き目があり,近郷近在の評判になった。咬みついた蝮を叱るとこそこそ逃げて死んだようになり,また花渕と書いた紙片をかぶせると動かなくなったという。子孫は代々善兵衛を称し,水沢に住んで留守家に仕えた。
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イシブロ
1930年 山口県
島に海賊が多くいた頃、城主の娘が悪い病気に罹り、何年も治らなかった。あるとき、部下のひとりが石風呂の話をし、これに入るとたいていの病気が治ると言ったので、早速城山の西麓の日当たりの良い場所に石風呂を作った。数十日の療養の後、姫の病気は治り、城主は一般人にもこの石風呂の使用を許可した。その後、非道な男が金ほしさからこの石風呂で尼を蒸し殺してしまった後は、さっぱり高価がなくなったという。
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ヒノカンノオンガエシ
1981年 沖縄県
農業と漁業を兼業していた男がある晩、大勢の人々が「よいとこさ、よいとこさ」と掛け声をかけながら通っていくのに出会った。何をしているのか聞くと、竜宮の神様の命令で木を島の上にのし上げるのだという。力を貸してくれと言われた男は手伝ってやった。そのお礼に、風邪を持ってくるゆうがらすを除けるために臼を3回叩くことを教えられ、男の家庭は助かった。隣の家の人々は悪い病気になり、全員死んだという。
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ロウバニバケタオオガマ
1956年 宮城県
昔,名木沢の谷川の土橋の辺に一軒のあばら屋があった。夜になると行灯のもとで一人の老婆が糸を紡いでおり,魔性のものに違いないという評判であった。鉄砲の名人紋兵衛が,ある夜銃を携えて様子を見に行った。土橋の辺まで行ったが,振り向いてニタッと笑った老婆の顔が物凄い。紋兵衛は老婆の胸元目掛けて銃を撃ち放したが,行灯の光が消えただけで何の手応えもなく,真っ暗になったので逃げ帰ってきた。翌晩も行ってみると,やはり同じように老婆が糸を紡いでいた。故老に相談したところ,それは魔性のものに違いなく,行灯の灯を狙えば射止めることができると教えてくれた。そこで三日目の夜,老婆が振り向いた瞬間に行灯の光を狙って撃つと,ギャッという異様な叫びとガラガラという音がして辺りが真っ暗闇になった。翌朝行ってみると,それは三尺余の醜い大蝦蟇であった。
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コイシ
1967年 福島県
波立薬師のお堂の前は小石の浜で、この小石を持ち帰ると、帰りたがって夜に泣くという。そしていつの間にかひとりでに帰るという。ある人がこの砂利を運んで庭に築山を造ったところ病気になり、石のためだということになり元の所へ返したという。
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イド
1973年 新潟県
文政6年、白根中町の造酒屋金左衛門が、屋敷内に掘り抜き井戸を掘っていたところ、文政6年3月に砂混じりの水が数丈吹き上げ、近隣の土地はドンドンと鳴り渡り、町内が水浸しとなった。金左衛門は井戸に大豆の俵などを投げ入れても止まらない。その夜にある医者が井戸を見物しに来た時、提灯を差し出したところ井戸から火が吹き上げた。7日間、水も火も止まらず、役人の指図でやっと止まった。水は湯の花のにおいがして、飲めないので薬湯にして、火は竹筒に入れて引き取られた。
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ザルミカゲ
1980年 茨城県
鹿嶋の南に息棲明神の社があるが、その近くの湖の中に大きな石の瓶が2つある。ただし湖は海につながっていて満ち引きがあるのに、かめの中は真水だという。理由を知る者はいなかったが、これは享保の頃にオランダ人が将軍に献上した石と同じで、石川宮内は「ざるみかげ」という海水を真水に変える石である。
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サル,ダイジャ,ナメクジ
1973年 香川県
ある池の端にきれいな娘が出るが、その娘に見られると夜にはたいてい食べられてしまうといった。ある薬売りが池を通りかかる前に、猿が泣いていたので腹痛の薬をあげたところ、襖に何か放り込んでいった。その晩、薬売りが宿の納屋の隅で休んでいたところ、大蛇が来た。大口を開けたので猿がくれたものを放り込むと、蛇は逃げていった。夜が明けてから宿の亭主と確かめに行くと、猿がくれたものは蛇にとっては毒であるナメクジだった。
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カワタロウ
1978年 岐阜県
医者が薬草を掘っていると、見慣れん人がおぶってくれと言う。川太郎だと思って縛って連れ帰り、囲炉裏につるして松葉とトンガラシでくすべると川太郎は降参して、薬の作り方を教え、大水を知らせてくれるようになった。医者は大垣の殿様の姫を治して名を上げた。
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ガマ
1976年 長崎県
長崎のある人が友人たちと岡の上で酒を飲んでいると、一人がこれは蝦蟇だ、目が光っているという。そこで竹に火薬を仕込み、口に差し込んで逃げた。爆発後戻ってみると蝦蟇はいなかった。竹を差し込んだ人はその後狂死した。
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ダイジャ
1971年 福島県
八幡太郎義家が今の塙町を通りかかると1人の男が崖を掘っていた。理由を尋ねると、男の父が湖の大蛇にのまれ、その敵を討つために崖を掘って水を干上がらせようとしていると答えた。義家がそれを手伝わせて水がひくと大蛇が現れた。そこで義家は弓張堂から大蛇を射殺した。このときの弓が矢祭山に置いてある。そして、大蛇の骨は源八山竜沢寺にあって、薬になるといって人々が削っていく。
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(カッパ)
1991年 山梨県
村の庄屋、安太郎家で、ヒジロに挿しておいた魚が盗まれるので、家人が注意してみていると、ある晩ヒジロに濡れしょぶれた黒い得体の知れないものがうごめいている。その怪物は川口湖の方へ逃げ去ったが、ヒジロには幾重にも紙に包ん河童膏の処方書が入っていた。その膏薬をためしてみると深手の切傷もたちどころに治り、近郷近在にも評判となったので、安太郎家では蛤の貝殻詰めにして各地へ売り広めるまでになり、昭和初期まで湖畔の名薬として販売していたという。
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カッパ
1974年
天明元年頃の八月、仙蔵河岸の屋敷で河童を殺し塩漬けにしたものを見た人の話。子供が掘りに落ちたのを怪しんで堀の水を抜くと泥を潜るものがいたので鉄砲で撃ち止めたという。
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(イシノナカノサカナ)
1980年 長崎県
ある外国人が長崎を出航する直前に、宿の主人に庭石を黄金5両で欲しいと言い、3年間預かってくれと交渉した。主人は了承したが、3年経っても来ないので石を割ると中から赤い魚が出てきた。翌年彼がやって来て言うには、かの石を擦り磨けば水槽のようになり、中の魚が透けて見える。この魚を朝夕見ると寿命が延びるという。
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(オキクノタタリ)
1982年 群馬県
小幡の殿様が侍女の菊を寵愛したので奥方や侍女の恨みを買い、殿様に差し上げる御飯に針を入れられた。殿様は怒って菊を責め、蛇の入った樽に入れ、宝積寺の池に投げ込んだ。小柏源介という侍が悲鳴を聞いて樽を開けると、瀕死の菊が出て来た。菊は「このご恩にお家に蛇の害は無いように致します」と言って事切れた。お菊の母が「お菊が無実なら芽が出ろ」と池の辺に炒りゴマをまいたら、芽が出た。お菊の祟りで小幡家に怪異があったので、宝積寺に碑を建てて供養した。小幡家では菊は植えない。
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ハチロウタロウ,ダイジャ
1959年 秋田県
大同2年の頃、男鹿の八郎太郎が田沢湖に通い、いつも鳥井野のある家に泊まっていた。寝姿を見ないでくれと言うのを覗くと、大蛇だった。八郎太郎はその家によく効く目薬を授けて、二度と来なかった。
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(カッパ),トウ
1982年 神奈川県
相州大川道西久保という所に小さい川があり、その川で河童が馬を引き込もうとしたところ、大勢で河童を打ち殺そうとした。その時にある百姓が河童を貰い助けたところ、夜に河童が礼にやってきて、陶器に酒を入れ、鱸を2匹持ってきた。鎌倉時代のことだという。この河童は雌雄いて、一匹は鎌倉に住み、一匹はこの角村に住んで文通をしているという。この陶の酒を呑む時、少しだけ酒を残しておくとまた酒が増えて、万年も絶える事がないと河童は言った。ある時酒を飲み干したので、それからは一滴も出なくなった。
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キツネ,タヌキ
1983年 東京都
下総国印旛郡佐倉の城主・堀田備中守正篤の渋谷の下屋敷に来ていた医師三輪玄春が、夜中に浮かれ出て行方がしれなくなり、数日後に下屋敷の中山深く草むらの中で死体が見つかった。これは狐狸に騙されて精気を吸われたものとされたので、城主が怒り、狐狩りを行ったという。
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リュウトウカンノン,ゴシンスイ
1976年 愛知県
奥田字日沢の地、1アール程の林に囲まれた静かな田んぼのほとりに粗末な社と小屋があってのぼりが多くたっている。その小屋に竜頭観音の額と由来をしるしたものがある。神代国造りの時、美津波能女之命が竜に乗って天より下り少彦名命の病気を治した。その場所に水が湧き、後に病で苦しむ人皇20代允恭天にもその御神水は効果があり病気が全快された。今も万病に効くが特に婦人病によいとされ水を瓶につめて持ち帰る信者が多い。
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