(ゾクシン) 1973年 香川県 旅行や出稼ぎに出ているものがいる家では、毎月1日・8日・15日とか正月などに、家人が食べるのと同じ膳を座敷の床の間に据えた。これを蔭膳という。膳の飯茶碗の蓋は、普通は飯の湯気で湿っているが、もしも乾いていたら出かけている者が病気にかかっているなどといい、心配したという。
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(ウミニカンスルゾクシン) 1964年 福島県 海で夜寝ないで魚をつることをよごめるという。そうしたときは、おやじが2・3日も帰ってこないことがある。家の人は心配して初盛り(陰膳)する。陰膳のふたをとってその裏に水気がみずみずしくついていれば、海に無事でいるなどと安心する。
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(ゾクシン) 1984年 新潟県 忌にさされないようにするための俗信。忌の日には、忌にさされないために必ず香煎を食べる、晩には便所に行かない、仕事をしない、など。
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ジュウゴヤ 1965年 岩手県 十五夜に月に供えたものを、誰にも見つからないようにつまみ食いすると、その年は大変いい事があるという。
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〔メシベラ〕 1956年 宮城県 「船形山」と焼印をおした飯箆をゴガツ(五月=田植えのこと)のときに腰にさすと腰がいたまないといわれている。
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センキノゼンカイスルマツ 1938年 鳥取県 疝気にかかって胃腸の具合のよくない人が参詣すると、全快するという。
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マサゴ 1980年 船に乗ろうとする場所で、土砂を少しとって紙に包み、それを臍にあてて乗れば船酔いをしない。冬ならば足袋の裏に敷いておくのもよい。特に神社の土で行えば効果が著しいという。これは海が不浄を嫌うからだという。
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トウジノアズキガユ 1965年 岩手県 冬至の日の夕食に、小豆を混ぜた米の粥(冬至粥)を食べると中風にならず、健康でいられる。
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ジキトリ,ツキガミ 1985年 愛媛県 旅をする時、特に峠を越える時はジキトリにつかれて空腹で倒れるので、旅立には必ず豆ご飯を食して立てと語られている。
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ナナクサガユ 1965年 岩手県 一月七日に七草粥を食べると、一年中お腹が空かないという。
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ハチジュウハチヤ 1965年 岩手県 八十八夜の晩に蓬餅を食べると中風にかからないという。
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(キツネ) 1990年 長野県 旅をしていて、夕方になると腹が減ったので、馬糞を食べたという。
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サイノカミ 1964年 福島県 さいの神の火で焼いた餅を食べると、腹やみしない。
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カゲゼン 1942年 島根県 出征した人には毎食時ツケ初メ(カゲ膳)をする。ツケ初メ(カゲ膳)に蓋をして、蓋が汗をかくとその人が元気で、汗をかかないと死んでいるという。家でツケ初メをすると不在の人の腹がふといという。
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(ゾクシン),サカナ 1935年 長崎県 師走1日に粥を食う。この日粥を食わない内は山に行くものではない。「魚の山越え」といって、魚が山を飛ぶ日で、その魚が腹をつきぬけるという。
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(ゾクシン) 1938年 栃木県 冬至の日に柚子を食べたり、柚子湯に入ったり、柚子茶を飲んだりすると、中風にかからないといわれている。
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カラサデババ 1953年 島根県 悪いものが入らないように家中を閉めきることがある。カラサデの晩には便所に行かない。便所に行くと尻を撫でられる。また、この晩には神と会うから、外で唾を捨てると口が痛くなったりする。
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コンブ 1978年 新潟県 大年の晩には、ごぼう・こんにゃく・焼豆腐・コンブを煮た、「年取りのオヒラ」を食べる。これを食べると年を取る。特にコンブは「よろこんぶ」といい、必ず入れた。「年を取りたくない」と言ってこれを食べずに縁の下に隠れていると、余ったものを全部くれていっぺんに年を取ってしまったという話がある。
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ミズカケキモノ 1940年 埼玉県 仏が途中で喉が渇かないように、四十九日の間、北向きに竿をかけて水をかけるという。この着物は抜け通りにするという。このため、平常、干し物を竿に逆に西や北向きにかけたり、竹の細い方から干し物を通したり、太い方から細い方へ抜け通ししたりすることを忌むという。
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ヤマノカミ 1942年 高知県 正月20日の山の神の日は、朝空腹を訴えると、山の神のおふるまいにあうといい、1年中ひだるい思いをしなければならないといって、ひだるいという言葉を口にするのを禁じている。
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