シニン 1989年 岐阜県 一人住まいのお婆さんが死んだ。お経を上げてもらっていたら死人が棺蓋を押し上げて「おねじゃー」といって立ち上がった。医者に見せたら今度は完全に死んでいて、改めてお経を上げて埋葬した。
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(ゾクシン),ヨビカエス 1933年 京都府 重態の病人が意識不明に陥っていまはの際遠方の親類などがかけつけて一言いたい時には、身内の重い者が大屋根へ上がって棟に跨りその名を大声に呼ばわり「病人を呼びかえす」と急に意識を取り戻す。
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レイ,シラセ 1943年 病人が危篤になると親戚知己は枕もとに集まるが、集まっていないと普段昵懇の家には息を引き取る直前に霊が訪問する。門口の戸が開く音がしたり、茶碗が割れたり、姿を見せることもある。これをシラセがあったといい、霊が帰ったときが息を引き取ったときだとされる。
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カミサマ,ホトケサマ 1995年 青森県 暗い夜に母屋から便所への土間の途中で古材につまずいて前に倒れ、顔面が古材の釘にささる寸前、体がそり返り元に戻った。そばにいた母は手を合わせて神仏を拝んでいた。
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チイサナウツクシイオボウサン 1975年 愛知県 ある人が病気になった。同じように病人のいる前の家から小さな美しいお坊さんが出てきて、縁の下に入るのを、夢うつつで見ていた。翌日、前の人が見舞いに来て「俺は治ったがお前は死ぬ」と言ったが、逆にその人は死んでしまった。
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ソセイ 1995年 福島県 実家の母が死んだという知らせを受け、病院を無理して退院して帰り、母に声をかけたところ3日間生き返った。4日目に零師様のところへ行って帰って来たところ、それから2時間後に母は息を引き取った。
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シニン,キンボトケ 1983年 秋田県 ある家の婆が亡くなったので町まで棺桶とさらしを買いに行った。途中で行き倒れの死人を婆と一緒に葬ろうと買って帰り、婆と並べて寝かせ自分は居眠りをした。気が付くと仏壇に金仏が飾られており、読めないはずの経文がすらすら読めた。
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ホソナガイハタ,タテイシイナリミョウジン 1922年 山口県 兄が大病を患い、命が危なくなった時、両親は立石稲荷社の一光大名神を信仰し祈願した。すると翌朝臥床の病者の上に純白の木綿で作ったような細長い旗が天井から垂れてきて、病者をなで、母親の上に落ちてわずかに部分を残して消えた。病者はその後全快した。一光稲荷神に尋ねるとそれは神界の旗であるという。
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シノゼンチョウ 1933年 鹿児島県 知人、殊に幼友達の家の仏様の御堂が明るくなるという。訃報に接すると「そうだったか、昨夜御堂が明るくなった、あれで、あの人もどうやら成仏されたな」という。
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ユウレイ 1979年 岐阜県 子どもを残して死んだ母親が、夜中幽霊になって出て仏壇にお参りする音が聞えた。音がするから開けてみても誰もいなかった。
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ネコ,ソウシキ 1940年 大阪府 臨終の間際、ある老人が苦しんでなかなか息を引き取らないのを不思議に思った家人が、床下を覗いたところ、飼い猫が力んでおり、追い払うと老人は安らかに往生した。
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シラセ,アカイタマノヨウナモノ 2001年 青森県 義兄が入院していた時、自分の家の木の枝に赤い玉のようなものが止まっており、それは水色に変わったかと思うと、また赤くなって消えてしまった。後に病院に見舞いに行くと、死んだはずの母が渡り廊下を歩いているのを見た。兄は翌日に亡くなったが、みんなは母親が迎えに来たのだろうと言った。
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カシカラソセイシタハナシ 1944年 秋田県 ある男が病気で死んで9時間後に生き返った。当人曰く、苦しくなくなったので友人宅を訪問した。戸の狭い隙間から中に入り、話もせず帰った。自宅に戻ると何だか呼び声が聞こえる。夢から覚めた心持で気が付くと、多数の人に取り囲まれて介抱されているのに気づいた。
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シノヨソク 1944年 新潟県 70数歳になる老人がいた。元気で百姓仕事をしていたが、ある日、「俺は○○日に死ぬから」と言い出した。家人は老人の耄碌だと思っていたが、当人は葬式の手配を自分で済ませ、当日は沐浴をして床に入り、家族に別れを告げた後、称名を唱えながら息を引き取った。
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(ヨミジガエリ) 1982年 新潟県 死者がよみがえる前には、家人に呼び戻されたり、あの世で知人に戻されたり、寺でカミサマに戻されたりする。
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(シノゼンチョウ) 1982年 群馬県 ある人が正装できて住職に挨拶して本堂に入った。まもなくその人が死んだと知らせに来た。
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ヒノタマ,ヒノタマ 1984年 福井県 瀕死の病人がある家からは、ヒノタマ(火玉)が飛び立つという。それは多くの場合近親者だけに見えて、病人が息を引き取るのと大体同時刻であるという。
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(ゾクシン),ネコ 1933年 石川県 人がだめになると、近親の者が枕頭に集まって夜とぎをするが、臨終には水をつけると稱し紙片を水に浸し唇をうるおして最後を悲しむのである。息を引き取ると行儀をさせるといって脚を揃え両膝を曲げ合掌せしめ頭を北西に臥し白衣を布団の上のかけ、其の上に猫などの霊が乗移る恐れから刀を載せる。
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シンダコ 1935年 奈良県 子どもが死んで、母が仏壇の上に、カマボコを置いていた。死んだ子が来ていると、子どもが言うので拝むとカマボコだった。
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シンダオトコ 1931年 青森県 古寺の和尚が真夜中に目を覚ますと枕もとにいた男が和尚の顔をじっとみていた。和尚が「死んだのだな。お経を上げてもらいたいのだな」と思い本堂に向かうと男はついてきた。お経を上げている間、十個は座っていたが、お経が終わったときには男の姿は見えなくなっていた。
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