イヌボウナマズ 1982年 群馬県 下大島の西堀のイヌボウゼキにいる大ナマズを取ったら、その親が出て来て「イヌボウヤ、イヌボウヤ」と叫んだので、怖くなってナマズを置いて逃げ帰った。
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オトボウナマズ 1982年 群馬県 野中の清水川で釣りの人がオトボウナマズを取って、大きすぎたので切って腰籠に入れた。すると残された身の方が「オトボウ、オトボウ」と叫んだ。
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オトボウナマズ 1982年 群馬県 おとさんという人が麦刈りに行ったら、ナマズが化けて「オトボウ、オトボウ」と言って抱きつき、追いかけてきた。清水川にはナマズの化けたのがいる。
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ヤマイヌ 1959年 愛媛県 クソバエは山犬の先送りというので山犬が来ていると思い、柴に何かが飛び込む音を聞いて逃げ帰った。
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ドンコ,エンコ,ダイジャ 1985年 愛媛県 昔、北が森のふもとに水たまりがあった。そこに三尺の赤ドンコと黒ドンコが住んでいた。ある日三津が浜のエンコというものがドンコをつかまえて食べようとした。帰り道の通し谷の大蛇がドンコにどこに行くと問うと、「背中をあぶりに行く」とドンコが答えた。エンコは自分の考えを知られていることを知り、怖くなってドンコをもとの北が森へ戻した。
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カッパ,ガアランベエ 1979年 岐阜県 子どもの頃、清水が淵へ魚とりに行ったら、ガアランベエがヒキタ(蟇蛙)に化け出て来て、オウオウと鳴いた。
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テング 1974年 山梨県 山にいると、天狗が「オイオイ」と声をかけてくることがあるが、それに返事をすると連れて行かれてしまうという。
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ヤマワロ 1950年 熊本県 海で採ったナマコを提げて戻ってくるとヤマワロが出てきて、ナマコをくれと身振りで示す。ただではやれぬので何かよこせというと3尺ほどの松の丸太をよこした。魚と交換に、大きなカライモを持って帰った者もいるという。
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オコジョサマ 2001年 長野県 諏訪地方では、山へ行く途中でオコジョサマに会ったら不吉な知らせと言うことで引き返す。実際に南アルプス北部の釜無山に登った際、オコジョサマに出くわしたが無視して登ったところ、熊に襲われたという。オコジョサマは、山の神の使いで、小さなイタチに似ているという。
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(リョウトウヘビ) 1980年 茨城県 常陸国のやしまという所に行き、与三という者を伴って裏山にはいった。その時4尺(約120センチ)の両頭蛇が、木にまとわりついていたので、その後殺した。両頭蛇を見ると死ぬというが、実際生きている。
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アオボウズ 1981年 和歌山県 学校の帰り、向かいの山に青くて大きいアオボウズが出るといって恐れた。
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チョウタムジナ 1991年 石川県 夜、皆月から上尾沢へ行く細い道に長太ムジナが出た。道に岩が盛り上がって進めない。暫くすると戻る。その間に食料は盗まれている。大蛇や化け物になって出て盗んだりもした。ある人が気配がするので石を投げつけ、「勝負しろ」というと男が出てきた。「金玉を広げる勝負をしよう」と言って木綿風呂敷の大きいのを広げたら、ムジナは張り合おうとして金玉を広げすぎて、割ってしまって山へ逃げていった。それ以来ムジナは出なくなった。
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ウワバミ 1979年 岐阜県 ある人が峠で草を刈っていたら、ザザアーと音がする。近づいてみたら、木の上にウワバミがいたので逃げ帰ったという。
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キツネ 1970年 福島県 三代の盆踊りに何年も大したお化狐が出てきて踊っていた。めんげぇおなごだといって若ぇ衆が送って山王坂までいくと、いなくなった。その次の日の夜にまた踊りに来た。盆上がりにその狐は西山形屋の穀入れの下に寝ていたが、西山形屋は「おれげぇ、おいなりさまだからおれげぇの屋敷では、犬にくわかねぇでくれろ」と言ったので、犬が逃げていくのをアキルツルのあたりで捕まえたそうである。
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テング 1942年 高知県 香美郡上韮生村安丸の人の話では、夜、山に猟に行ったとき、峰伝いに太鼓のような音を聞いた。天狗の叩く太鼓の音らしい。
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ブナガヤ 1985年 沖縄県 朝早く小豆の取り入れに3人で行ったら、川の土手に生えているアダンの木の枝にアメリカ人形のようなものがぶら下がっていた。3人は思わず「ブナガヤだ」と叫んで、一目散に駆け出した。
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キツネ 1995年 山形県 道の下の沢のおまんきつね、小学校の下のおしんきつね、西側のおよねきつね、という3匹のきつねがいた。おかんばあさんという人は気丈で「狐になんか化かされない」と言っていた。鮎貝に行くとき、道にあったゴミ袋を「騙されないぞ」と蹴っ飛ばしたら、袋が逃げ出した。橋の下の鴨の群れにも「騙されないぞ」と石を投げたら、鴨は一度に消えてしまった。買物して帰り道、橋の所でばあさんの家の人が提灯を持って迎えにきた。ところがこれがきつねで、ばあさんはとうとう騙されて、尻尾で顔を叩かれて、びっくりして気絶してしまった。
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ノヅチ 1968年 奈良県 桧の枝を切りに行ったら、がさがさ草を分ける音がしたので、見たら大きな蛇がいて、びっくりして逃げ帰った。それから4、5日して、このいとこが草を刈っていたら、それらしい蛇を見た。太さの割には大変短かったから、たぶんノヅチだったのだろうという。
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オクリオオカミ,オイヌサマ 1995年 長野県 三峰のお犬様が夜必ず人を守ってくれた。その代り鼻緒がきれたときには必ず声をかける。いわないと石を持って投げると思って犬に飛びつかれる。
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カワウソ 1955年 神奈川県 小雨の晩、角田福三氏が祖父と鐘ヶ淵の岩下に鮎を捕りに行った。突然ドボーンと大きな水音がし、2人は急に体がゾクゾクするほど気味が悪くなった。祖父はきっと身投げに違いないと言い、翌朝行ってみたが、それらしいものはなく、川原の砂地に子犬ぐらいの足跡が沢山ついていた。それはカワウソの足跡で、水音もカワウソのいたずらだったのだろうという。
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