トリツキスジ 1979年 岐阜県 以前は、とりつき筋の人が他人に取り憑くといわれていた。赤ん坊が取り憑かれて死んだりした。取り憑かれた人は取り憑いた人と同じ身振り・動作をする。取り憑く人は別にその気はなく、ふとしたときに取り憑いている。その人が去ると憑き物も落ちるという。
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イヌガミ 1996年 徳島県 集落に1・2件は犬神筋の家がある。嫁が持っていればついてくる。憑かれた人に太夫が御幣を持たせるとピョンピョンとんで、ばたっと倒れ仮死状態になった。憑かれるのはおっちょこちょいの人が多い。憑くと目つきが変わる。太夫が拝むとどこから来たか答える。予防には出雲大社がよく効くという。持っている人と喧嘩をすると追いかけられる。その家で生まれた女性は全部持っており、その家に嫁に行くとうつる。何か特別の神を祀っている。先祖のようだがよくわからない。
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イヌガミ 1996年 徳島県 犬神持ちの家筋は3年3月の間同じ釜の飯を食べるとうつる。嫁が持ってくればその家が筋になる。女性だけが持っている。持っている女性は1家に1人でその人が亡くなれば次の女性に受け継がれる。道筋の家ではそれをどこかにまつっている。感情の起伏によって憑く。持ち筋の女性にたけのこをくれと言われたが、あげることが出来なかった時に嫁に憑いた。その後子供にも憑き、熱が出てうわ言を言った。層や祈祷師に頼んで伏せてもらうのが普通である。予防の方法も伝えられる。
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ツキモノスジ 1956年 大分県 憑物筋と言われる家の主婦は精神病の血統であることがある。
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ツキモノ 1944年 山口県 憑きもの筋の家のことをヨツという。このような家には、庄屋や神官もあり上流階級に属するものも少なくない。また、尊敬される人もいる。しかし、村人は婚姻関係を結ばない。このような家々は新来者が多いのではないかという。
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ヘビ 1990年 長野県 萩原の里のくしが下に百姓家があり、美しい三姉妹がいた。末娘はとりわけ美しかったが、そのうちに若い恋人ができた。若者は毎日通ってきたが、家人は彼を見るたびにぞっとするほど冷たい感じを受けた。あるとき、木綿針に糸をつけて若者の袖につけ、後をつけていくと箱だたみの淵につながっていた。若者は箱だたみの主だった。以後若者は通ってこなくなり、娘は身ごもって子供を産んだが皆蛇の子で、産後まもなく娘は死んだ。
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サバラレル,キツネモチ 1987年 島根県 キツネに憑かれることをサバラレルといい、言動がまるで異なってしまう。憑きもの筋の家をキツネモチと呼び、昔は村八分だった。キツネモチの家筋は繁盛しているので、それを嫉んだためではないかという。
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スヒカヅラ,イヌガミ 1941年 徳島県 ネズミよりやや大きいもので、ある家筋の女性には二匹、男性には一匹がついているという。たまたま、姿を現したりする。それにとりつかれた人は病気を患ったり、犬の真似をしたり、自分が知るはずのない昔のことを語ったり、襖の向こう側のことを当てたり、さらに退治しに来た太夫のことまで当てたりする。一匹が誰かにとりつくともう一匹は気が抜けるので、それを掴まえて焼いて、とりつかれた人に飲ませば退くという。
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ヘビ 1990年 長野県 萩原の里のくしが下に百姓家があり、美しい三姉妹がいた。末娘はとりわけ美しかったが、そのうちに若い恋人ができた。美しい若者は毎日通ってきたが、家人は彼を見るたびに何故かぞっとするほど冷たい感じを受けた。あるとき、木綿針に糸をつけて若者の袖につけ、後をつけていくと箱だたみの淵につながっていた。若者は箱だたみの主だった。
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ツキモノ 1991年 愛媛県 戦中まで憑き物があり、暗くて感じの悪い家を憑き物憑きだときめつけたりしていた。
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ゴンボダネ 1969年 岐阜県 ごんぼだねは人が人に憑くもので、家筋の1種で岐阜県吉城郡大野・益田・恵那各郡で信じられており、吉城郡上宝が本場であるという。この家筋のものが恨んだり憎んだりするとその相手に生霊が憑く。憑かれた人にはどんな薬も効果がなく、おいしいものならいくらでも食べられる。憑かれた人は、憑いた人(ごんぼすじ)の家のことを口走ったり、すさまじい力を出す。憑かれた人の部屋は臭気が漂い、妖気が満ちる。脈が切れても1日か3日間も生きていたことがあったという。
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ヤマンバ,ヤマウバ 1974年 愛媛県 山奥に母と3人の娘が住んでいた。山には人間の姿でひげのたくさん生えた山姥が住んでいた。母が用事で町へ出かけた隙に、山姥は母と偽って戸を開けさせようとした。一度目は手が毛むくじゃらで山姥と知れたが、二度目はいもの葉で手を包んでいたので、母と間違って戸を開けてしまった。山姥が飛び込んできたので、娘たちは逃げたが、末娘は捕まって山姥に食べられたという。
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イヌガミ 1985年 徳島県 普段とても物静かで、家に閉じこもりやすい婦人がいた。ある時犬神が憑いて、犬の鳴き声をしきりに出したり、四つんばいになったりしたという。隣の主婦の犬神が憑いたと噂されていた。
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イヌガミ 1985年 徳島県 以前ある老婆に、犬神筋の男性の犬神が憑いた。女性はその男性の声で、自分の由来を具体的に喋ったという。近くの祈祷師に拝んでもらい、犬神を落としたという。
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ゴンボダネ 1980年 岐阜県 ゴンボ種は戦後にはないが、木の芽時によく憑いたという。取り憑き筋(憑く方・憑かれる方、双方をさす)を中心に展開され、それ以外に憑くことは稀である。急に具合が悪くなったり、医者にかかっても治らないときは憑かれたと言った。取り憑き筋にも強弱があったという。憑こうと思っていなくても、タネの人が情をかけたり妬んだりすると憑くという。ゴンボ種に憑かれると、衰弱して惚けたようになり、歩き回る。話をすると相手の心を読み当てるという、など。
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キツネ 1930年 幼少の頃、隣村から女性的半男女の狂人が毎日のように来た。子供達は、睾丸のように大きな大陰核を見るために駄菓子を与えた。この女は狐憑きであり、両脇の下から狐の足が見えるとも言われた。
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ヘビ 1958年 岐阜県 昔、尻高の切分けの家に、毎晩きれいな女がきて機織りの筬を借りに来た。朝早く帰しに来て、お礼に魚を軒先の木の鉤にかけて行った。夜、龍神渕から機織りの音がしていたという。木の鉤が腐ったので金の鉤に取り替えたら、女はこなくなった。金気を嫌ったから、女の正体は蛇だろう。
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ヘビ 1993年 岩手県 ヘビが美男に化けて若い女を次々騙して、子を産ませた。娘の腹がふくれて10ヶ月経つと、娘が一人のときに、ヘビが編み笠をかぶって入れ物を持った人の姿になってやってきて、生まれたヘビを連れて行く。ヘビが来なかった時は家の人が生まれたヘビを始末していたらしい。
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シオガマサン 1972年 岐阜県 100年近く前、馬場家の嫁で産婆をしているオジョウという人がいた。ある晩、旅の修行者を泊めたところ、翌日修行者が「塩釜さんを祀ったら難産はない」と言い、紙を与えた。修行者は二度と現れなかった。その後、塩釜さんにあげた水を飲むと、どんな難産でもすぐに子どもが産まれるという。神体は赤と青の二体があるが、青の方が格上らしい。
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キツネ 1949年 福島県 一人の男が田圃を耕していると、きれいな女性が来て腹が痛いといって泊り込み、ついに夫婦となった。三人の女の子が出来た。あるとき、油断をして白い尻尾を見られて、悲しんで山に逃げ帰った。夫が小さい子を連れて乳を貰いに山にいき、家に帰るように懇願した。しかし、家には帰れないが、稲と鉏を田圃に置いておけば手伝いをしてあげようといった。そのとおりにすると、苗の植付けは終わっており、秋にはよく実って、男は金持ちになった。
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