トリツキスジ 1979年 岐阜県 以前は、とりつき筋の人が他人に取り憑くといわれていた。赤ん坊が取り憑かれて死んだりした。取り憑かれた人は取り憑いた人と同じ身振り・動作をする。取り憑く人は別にその気はなく、ふとしたときに取り憑いている。その人が去ると憑き物も落ちるという。
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ゴンボダネ 1958年 岐阜県 ゴンボが憑くと、憑かれた人が「俺は○○だ」と名乗るのでわかる。ゴンボは人の秘密を口走る。牛蒡種の人は生活や婚姻で差別を受けている。ゴンボが憑くと、御嶽行者に落としてもらう。
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ゲドウ 1980年 広島県 外道には蛇外道・犬外道・狐外道・野外道など様々な種類がある。一般的に、憑かれやすいのは女性と病人であり、子供には憑かない。一度に複数憑かせることもできる。憑かれると、軽いときは精神異常や不測の事故が起こるが、ひどいときは狂い死にする。憑き物筋は外道神を持っているため栄え、怨恨によって外道を憑かせるという。縁組みに付随し、嫁に行った娘から嫁ぎ先にも筋が発生する。
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ゴンボダネ 1961年 岐阜県 ゴンボダネは人が人に憑き、筋を引く。とある家では先祖が伏見稲荷に祈願して金が貯まるようになったが、稲荷様の守りをしなかったためゴンボダネになったという。またその家ではクダギツネを飼っており、主人の好きなものを何でも他所から運んでくるという。
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ゴンボダネ 1969年 岐阜県 ごんぼだねは人が人に憑くもので、家筋の1種で岐阜県吉城郡大野・益田・恵那各郡で信じられており、吉城郡上宝が本場であるという。この家筋のものが恨んだり憎んだりするとその相手に生霊が憑く。憑かれた人にはどんな薬も効果がなく、おいしいものならいくらでも食べられる。憑かれた人は、憑いた人(ごんぼすじ)の家のことを口走ったり、すさまじい力を出す。憑かれた人の部屋は臭気が漂い、妖気が満ちる。脈が切れても1日か3日間も生きていたことがあったという。
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オサキ,キツネ 1975年 群馬県 Y部落での憑依事件は明治8例、大正7例、昭和14例ある。オサキ、キツネに憑かれた人は忘我・狂乱状態となり、憑いた理由や持筋の家名を喋り、動物的な振舞をし、予言など常人以上の能力を発揮する。突然そうなる場合と病気が悪化してなる場合がある。重症の時には木曽御岳行者が祈祷するが、オサキに憑かれたかどうかは被害者自身のうわ言か家族の診断で判明する。原因は被害者側と持ち筋側の対立や恨みが6件、妬みなどが4件、両方によるものが2件である。被害者側は経済的に中以下が多く、憑いた側は中以上が多い。
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イヌガミ 1996年 徳島県 犬神持ちの家筋は3年3月の間同じ釜の飯を食べるとうつる。嫁が持ってくればその家が筋になる。女性だけが持っている。持っている女性は1家に1人でその人が亡くなれば次の女性に受け継がれる。道筋の家ではそれをどこかにまつっている。感情の起伏によって憑く。持ち筋の女性にたけのこをくれと言われたが、あげることが出来なかった時に嫁に憑いた。その後子供にも憑き、熱が出てうわ言を言った。層や祈祷師に頼んで伏せてもらうのが普通である。予防の方法も伝えられる。
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スヒカヅラ,イヌガミ 1941年 徳島県 ネズミよりやや大きいもので、ある家筋の女性には二匹、男性には一匹がついているという。たまたま、姿を現したりする。それにとりつかれた人は病気を患ったり、犬の真似をしたり、自分が知るはずのない昔のことを語ったり、襖の向こう側のことを当てたり、さらに退治しに来た太夫のことまで当てたりする。一匹が誰かにとりつくともう一匹は気が抜けるので、それを掴まえて焼いて、とりつかれた人に飲ませば退くという。
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タヌキ,(ツキモノ) 1989年 長野県 タヌキが人に憑くことがあるという。憑かれた人は、夜になると外をふらふら出歩いたりしたという。離すときは、祈とうしてもらったり三峯神社へ頼みに行ったりしたという。
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キツネ,(ツキモノ) 1988年 長野県 キツネが人に憑いたことがある。憑かれた人は興奮状態でいつも落ち着かず、常識はずれのことを言ったり、四つんばいで歩いたり、天ぷらなどをしきりに欲しがったりする。一室に閉じこめて押さえつけて桃の枝などで体を打つと、キツネのような悲鳴を上げて人事不省になり、気がつくと正気に戻っているという。
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イヌガミ 1986年 大分県 犬神に憑かれると胸・足・手などが痛み,急に肩を揺すったり犬の真似をしたりする。犬神が憑いた家は金持ちになる。男女問わず,物を欲しがっている人,執念深い人,喜びや悲しみの中にいる人に憑きやすい。犬神持ちの人に対して喜怒哀楽の感情を表すと憑かれるので,彼らは恐れられ嫌われていた。犬神は原則的に個人に憑くが,犬神の憑き易い筋がある。犬神筋と結婚するとすぐに憑かれると言われ,縁組を嫌われた。
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キツネ,(ツキモノ) 1989年 長野県 キツネが人に憑くことがあるという。憑かれた人は気が狂って飛んで歩いたり、おかしなことを言うようになった。また、食べるときは変な顔をして食べる。弱い人に憑くという。離すときはホンゲンサマに頼んで祈とうしてもらった。憑かれた人が死ぬと離れる、あるいは離すと憑かれた人は死ぬともいう。
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キツネツキ 1922年 島根県 狐憑きは一般に男よりも女の方に多い。一人の女が病気にかかって、熱でも高いと普段衝突している人が狐になってその体内に入りこみ苦しめるという。色々なことを大騒ぎするが、付き添いのものはそれを信じ狐になって来たと言う人の家に憑かれた人を負って行ったり、その人を呼んできて責めたりする。ついにはその人が詫びるということもある。
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ヘビガミ 1922年 愛媛県 蛇神一名蛇持ちの人があって、誰かを憎いと思ったり、欲しいものが手に入らなかったりするととり憑く。憑かれた人は某方の蛇であると口走りながら、蛇のような狂態を示す。このような場合は医者には見せず山伏や巫女を招いて祈祷をし、死に至らしめることもある。蛇持ちの家は蛇筋といい、代々続くものと信じていた。
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クダショウ,キツネ 1985年 静岡県 クダショウの憑いた人は、その人自身が災いを起こすのではないが、自分がしゃべったり、面白いきちがいのような動きをすると言う。クダショウを持つ家筋の者が、性の弱い人にクダショウを憑ける。
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トウビョウギツネ 1973年 鳥取県 病気になったときはトウビョウギツネが憑いたという。ある家筋がキツネ持ちだといわれ、婚姻で差別される。キツネを離すには病人を煙でいぶしたり、お大師講の数珠を振ったり、藁苞に小豆飯と油揚げを入れたものを病人に持たせて「家に帰れ」と突き出したりする。トウビョウギツネを飼うと金が溜まるといい、岡山の最上稲荷から借りてくる人もいたが、トウビョウギツネはすぐに増えて、増えすぎると逆に家から金を持ち出す、食い扶持が足りなくなると人に憑いて病気にさせる、という。
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(ツキモノ) 1989年 長野県 憑き物に憑かれた人は放心状態になり、遠くのことも当てた。アブラアゲを好んだ。憑かれると祈とう師を頼み、二夜三日祈とうを続けてもらうという。
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イヌガミ 1996年 徳島県 集落に1・2件は犬神筋の家がある。嫁が持っていればついてくる。憑かれた人に太夫が御幣を持たせるとピョンピョンとんで、ばたっと倒れ仮死状態になった。憑かれるのはおっちょこちょいの人が多い。憑くと目つきが変わる。太夫が拝むとどこから来たか答える。予防には出雲大社がよく効くという。持っている人と喧嘩をすると追いかけられる。その家で生まれた女性は全部持っており、その家に嫁に行くとうつる。何か特別の神を祀っている。先祖のようだがよくわからない。
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キツネ 1980年 岐阜県 キツネに憑かれると、空中を飛び回ったりするという。わらないうちに人に憑く。体が弱い人に憑きやすいといわれている。福地にいる接骨医は指の脈で何が憑いたを調べた。憑いたものによってゴフの調合が違う。これを飲むと、憑き物が落ちるという。
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キツネ,(ツキモノ) 1989年 長野県 キツネが人に憑くことがあるという。憑かれた人は高熱を出して譫言をいい、急に立ち上がって乱暴をしたりした。離すときは、病人の枕元で、行者が自己催眠にかかって焼け火箸を手で握ったりという荒行をして祈とうをしたという。
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