ヤマノヒ 1959年 山梨県 山で火を焚いていると火をくれと男がやってきたがやらなかった。年寄りがそれを聞いて、やったほうがよかったといった。すると間もなく屋根が剥がされ大きな手が入ってきてここに火をくれという。年寄りが火を与えると去った。
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ヤマノジサン 1986年 愛媛県 夜専門の猟師が火にあたっていると猟犬が身体を水にぬらして何度も薪を消してしまう。猟師は怒って犬を殺す。すると突然髭をボウボウに生やしたおじいさんがあらわれて、火にあたり出した。猟師はお爺さんが怖くてたまらずにいたが、じいさんが眠り始めたので一生のうちに1、2度しか使えない八幡大菩薩に関係のある玉で鉄砲を打った。じいさんは谷底へころげ落ち、誰かがすがりついて泣いているのがわかった。猟師は逃げ出し、1年ほど経った後その場所へ行ってみると白骨になっていた。これが山のじいさんではないかという。
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イチョウ,バツボク 1939年 大阪府 大火の際に水を吐いて、周辺民家への延焼を防いだ銀杏があった。ところが、実を結ばないために、木の持ち主が銀杏を切ろうとした。すると、夢の中に現れた武士が、実を結ぶ代わりに、銀杏を切るなと頼む。人夫も高熱で倒れたため、主は切る事を断念した。
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オジゾウサン,キツネ 1938年 長野県 お爺さんが遅くまで山で働いていると、突然お地蔵さんが現われて手招きし、連れて行ってくれと頼む。お地蔵さんをおんぶして行ったが、畑の中へ入ったり出たりして家に着かない。お爺さんがたばこに火を付けるとお地蔵さんはどこかへ行った。
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ヤマチ 2000年 鳥取県 山奥の小屋に1人で住んでいた鷹匠が庭で火を焚いてあたっていたら、6尺余りもある老人のような者が来た。どこから来たのか訪ねても何も答えない。帰るとき、後をつけてみたけれども、見失った。その後、里人に聞いてみたら、それは山父だと言われた。
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ヤマチチ 1986年 香川県 八幡様の祭の日、ある男が山に入ったら、山父が出た。石を焼いて睾丸に投げつけようと思ったら、山父に悟られた。そこで青焚けを火にくべたらはじけ、山父は驚いて逃げた。その青竹を里に持って降りたら、若衆がのぼり竿の大きさがあわないと困っていた。そこで青竹をあわせると、よくあった。八幡さんが男を助けるために青竹を伐ったのだった。
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キツネ 1992年 東京都 寺に老いた狐が住んでいた。狐が鳴いて火事を知らせることが2・3度あった。そのため大火にならずに住んだ。そのため火消稲荷と呼ぶようになった。
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キ 1941年 愛媛県 昔、庄屋の家を建てるために、村人が山の大木を切ろうとしたが、一日で切りきれなかった。そして、翌日、その木は無傷だった。かろうじて切り終わったら、今度は重くて動かせなかったが、ヒマヒヲンナが来てくれて簡単に引けた。しかし、この木で建たれた家は直ぐ燃えてしまい焼けた。この木は北向きの神山のものだったという。
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オニバンバ 1967年 山形県 佐々木という爺が山に入り、大木の根っこが大洞になっているところに泊まって火を焚いていると、鬼婆んばが来た。その背中は氷のように光り、爺は怖くて震えていた。やがて美しい女の姿をした山神さまが現れ、鬼婆んばに食われないようにお守りをくれた。1枚は被り、1枚は敷き、1枚は着て寝ると、鬼婆んばには爺の姿が見えなくなり、爺は助かった。
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ヤマンバ 1931年 岩手県 昔、山で竹を伐っていた桶屋が焚き火をしていると山姥があたりにきた。この山姥は桶屋の考えていることを逐一言い当てたが、何の気無しにあぶっていた竹がはじけて、山姥の方に火を飛ばした。山姥は人間は油断できないと言って、めったに近寄らなくなった。
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キツネビ,キツネノタタリ 1997年 長野県 狐火が出て人々を悩まし、通行人が化かされた。猟師が狐を撃ったところ、暗の中に姿が消えた。老人の夢枕に現れた狐は、伏見稲荷のお使いだと明かした。それを祀ったが、猟師の家には3代祟ると言われ、家が絶えた。
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コイチロウガミ 1949年 大分県 旧豊岡町の小一郎森近くに住む石工が火事に遭った。火元もなく相当な風だったのに類焼もない。不思議に思い占ってもらうと、石工が森の石を取りつづけるので、森の神が火事を起こしたのだという。神楽を奉納する約束で楠を伐ったがその約束を守らず、火事に遭った者もいる。
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センチョウギ,キノセイ 1989年 山梨県 ミノヒキ山は、1本の木で千丁の薪がとれるので、千丁木という。朝、山へ登っても切り終えない。帰って、また翌朝行くと、切った跡が元通りになっている。何回かそんなことが続いたので、木こりが残って隠れてみていると、夜中の12時か1時ころになった、この辺の山のあらゆる木の精が集まって、話していた。木の精の首領が切りくずを焼かれてしまったら駄目だといったのを木こりの責任者が聞いて、切りくずがでるとそれを燃やしてしまった。それで千丁木は切られてしまい、今では地名だけが残っている。
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イナリ,シラトリ,モチ 1949年 京都府 伊呂具秦公(いろぐのはだのきみ)という者が稲を積んで豊かになり奢って、餅を的にして遊んだところその餅が白鳥と化して山の上に飛んでいって留まった。その留まった所に稲が成り生えたため、伊奈利(稲荷)の社を建ててこの鳥を祀った。その子孫も先祖の過ちを悔い、その社の木を家に移し植えて祈った。この木生付く者は幸を得て、木枯れるものは必ず禍があるという。
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テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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キツネ 1998年 福島県 爺さまが狐を馬鹿にして火を焚いていぶした。そうしたら、その後、婆さまが帰ってこないことがあった。心配していたら、ボロボロになって帰ってきた。氏神様の石の上に泊まってきたという。狐が仕返しをしたのである。
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テング 1933年 長野県 百年余り昔、婆が夕食の仕度をしていたら、勝手口に大男が立っていた。大男に手紙を出してくれるように頼まれ、目を瞑って開けたら霧ケ峰に来ていた。そこには天狗が大勢いた。天狗に城下が火事になっているが、手紙の御礼に守ってくれることを約束され婆が急いで戻ると婆の家がある上町だけ焼け残った。
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イナリサマ 1987年 山形県 稲沢集落の稲荷様は、以前は人家近くにあったが、よくないことがあるので山の上に移したという。
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(タイボクニナッタロウジン) 1935年 福島県 老爺が小人神社の庭掃除をしていると、ひとりの老人が現れ、掃除をしている老爺の忠実さを賞賛し、ひとつの箱を与えて去ろうとした。老爺が追いかけると老人は大木に変わり、老爺はそれに取りすがったまま、死んでも離れなくなってしまった。付近の人は驚いて老爺を離そうとしたがどうしてもはなれず、木から削り取って埋めたと言われている。
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キツネ,イナリ 1975年 橘枝直という男の宅地の辰巳の角に、稲荷の祠があった。飼っていた小鳥が何度も失せるので、怪しんで祠を取り除け、そこにいた子狐たちを老奴に命じて川に流し祠を焼き捨てた。するとその夜から老奴が物狂わしくなり、親狐が取り憑いたようになって騒いだ。枝直が宅地内の祠は自分の権限下にあると主張し、小鳥を盗んだ非を責め、恨むなら老奴ではなく自分を恨めと言ったところ、親狐は離れた。
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