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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

バケモノ
1979年 徳島県
昔、炭焼きをしている大食いのゲンタという男がいた。ある時、炭焼きから帰って三升飯を食い、また炭焼きに帰る途中、金の甑のバケモノが出てきて閉じこめられそうになった。ゲンタは左足で踏ん張り、右手で木の枝を持ち、バケモノを退治した。ここをネビキの坂ともいい、ゲンタがバケモノを退治したときに木の枝を持ったので、ここの木の枝は皆下を向いている。

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タコ
2002年 山口県
昔、甚平という漁師が住んでいた。魚を捕ることが巧みで近隣の者は皆知っていた。ある日甚平が岩の近くで魚釣りをしていると、急に船が傾いた。見れば大きな蛸の足が船縁を掴んでいた。甚平はその足を包丁で切って持って帰った。その味を覚えた甚平が翌日も岩へ行ったところ、その日も蛸が現れた。こうした日が5日続き、8本の足が3本にまで減った日に、甚平はこの蛸を捕ってやろうと包丁の代わりに縄を持っていった。それきり甚平は帰らず、主のいない船が夕方に浦へ流れ着いた。村人達はきっと蛸に食われたのだろうと噂した。それ以来その岩を甚平岩と呼ぶようになった。
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1941年 愛媛県
昔、庄屋の家を建てるために、村人が山の大木を切ろうとしたが、一日で切りきれなかった。そして、翌日、その木は無傷だった。かろうじて切り終わったら、今度は重くて動かせなかったが、ヒマヒヲンナが来てくれて簡単に引けた。しかし、この木で建たれた家は直ぐ燃えてしまい焼けた。この木は北向きの神山のものだったという。
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タヌキ
1984年 埼玉県
白石の下の家にある日の夕方、得体の知れない男がやってきてイロリにあたらせてくれという。おじいさんとおばあさんがあたらせてやるとそれからちょくちょく来るようになった。どうもおかしい、その男はタヌキの化け物ではないかと思った。翌日は餅を食べていき、次の日にやってきたときに酒を飲ませると、火の側でウトウトしだし、見ていると木の葉が出てきた。そこで石を焼いて焼き餅だといって投げてやるとその石が股の間にのったので、タヌキは逃げ出してそれ以来2度と来ることはなかった。それはムジナ沢のタヌキである。
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オオカミノオンガエシ
1987年 長野県
昔,この村に小屋久兵衛という人がいた。山へ草刈にいったとき,狼が尾を振って寄ってきた。見ると狼の目にとげが刺さっていたので,抜いてやると尾を振り振り山へ帰っていった。幾日かして,久兵衛が山の草刈り場で一服していると,この間の狼が出てきて久兵衛の裾を加えて引っ張る。引っ張られて大岩の下まで来た時,大鷲が岩上すれすれに飛び去ったので,久兵衛は自分が大鷲に狙われていた事を知り,狼が恩返しのつもりで自分を救ってくれたのだと喜んだ。
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トカビ,オバケ
1941年 朝鮮
大同郡秋乙美面美林里に木の茂みに隠れた古家が2、3軒あるが、昔はそのあたりでトカビがよく現れ、よく悪戯するお化けである。ある日ある男が、その家の側の木の下を通ると、大きな石が投げつけられた。その男の家の蕎麦の粒がその木に結ばれていたこともあった。それ以来トカビの災難が村中に起こった。そしてある力持ちがトカビ退治にその木に出向き、黒いものと格闘すると、それは棒きれであった。けれどもその木を焼き、灰を銅器に入れ土中に埋めると悪戯が無くなった。
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ダラシ
1920年 長崎県
千々石から島原へ向かう古道、平石の道中にあるノトンの坂付近では、昔からダラシが憑くという。あるときノトンの坂と反対にある平石と魚洗郷との間の坂(名称不明)の山道で男が腹を押さえて座っているのを見かけた。弁当を食べさせるとすぐに元気になった。弁当は一口二口食べさせて残りは藪の中に捨てた。ダラシに憑かれたら何でもよいから食べ物を食べて残りを付近に捨てると離れるという。また、食べ物がないときは、手に「米」という字を指の先で書き、嘗めると元気になるという。これらは昔旅人が餓死し、それが祟るためだとされる。あるいは平石観音の下の辺りで何人かが首を吊っており、それが祟っているという話もある。
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ムジナ
1975年 新潟県
爺さんが山へ炭焼きに行き小屋に泊まっていると、夕飯を終え寝ようとしたとき、女が訪れ、とめてくれといって炭火に手をかざした。爺さんが炭火をぶっかけると、女はムジナの正体をあらわして逃げた。
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ウン,ヤマヒル
1970年 沖縄県
昔ふかいの海辺にウン(鬼)が住んでいた。川平の人はよく食物を取られ困っていた。そこで川平のナカソコチカラが鬼どものところに乗り込んでいき、岩の上に金棒を突き立て、抜けるものなら抜いてみろと言った。ウンどもはそれを抜けなかった。チカラはサオを持ってきて穴に差し込み、ぐっと曲げて放した。ウンどもはサオの反動で飛ばされ血と肉片が飛び散った。その肉がヤマヒルになったといわれる。
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イタチノキタオシ,タイボクニオノヲアテルオト,キノタオレルオト
1982年 新潟県
木挽の三吉という人が、夜なかに台島から藤沢へ帰るとき、山中で大木に斧をあてる音が、カーン、カーン、カーンとだんだん大きくなって聞こえてきた。やがて、メリメリ、ドーンと木の倒れる音がした。不気味だったので、そのほうへ行ってみたが、木などは倒れていなかった。これをイタチの木倒しという。イタチが木っぱ(木のきれはし)を尻尾にまいて、木にぶつけて音を出すのだともいわれている。
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イタチノキタオシ
1982年 新潟県
あるとき村の衆が5、6人で山仕事に出かけた。父は一番あとから山道を歩いていった。カチン、カチンと近くの大木に斧をあてる音がして、ザワザワとゆれてドーンと倒れる音がした。これは木の上にいたイタチの仕業で、イタチが木をゆさぶってカチンカチン、ザワザワ。とびおりるとドーンと音がするのだ。
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ヘビムコ,カエルノオンガエシ
1968年 愛媛県
爺さんが山に行く途中で蛇から蛙を助ける。爺さんには美人の娘がおり、蛇が男に化けて娘のところへ来る。娘は男に惚れたが病気になった。遍路がきて、大杉の木のてっぺんにある鷲の卵を食べさせろと教える。娘が男に頼むと、男は蛇体で木に登ったが、巣にかかろうとするところで鷲に食い殺されたという。
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オニ
1936年 鹿児島県
ひとりの男がいた。あるとき男が豚と馬を鬼が食ってしまった。男は木に登って逃げたが、池に姿が映っていた。鬼は池の中に男が居ると思って水を飲み干した。その後で上にいる男を見つけ登り方を聞くが、男は嘘の上り方を教えた。最後に男は神様に降ろしてもらった綱で天にのぼり、それを真似しようとした鬼は途中で綱が切れて死んでしまった。
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ダイジャ
1955年 静岡県
高い所で炭焼きをしていると大蛇が襷や帯に化けて流れてきて、拾いに来た者を噛んだ。ある人が焼き石を淵に投げ入れ、大蛇は目をつぶされた。
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ヤマネコ,ニタンボージ
1966年 鹿児島県
ある所に3人兄弟が暮らしていた。長男が北向きのニタ(猪が水浴びする水溜り)にユマチ(夜待ちの猪射ち)にいった。北向きのニタにはニタンボージという妖怪がいるのでユマチはタブーになっていた。長男は帰らず、次男は敵討ちに行ったがまた帰らなかった。三男は鉄砲に7発の弾を込めて頭には釜をかぶって例のニタに出かけた。すると月のように大きく光るものが2つ襲ってきた。釜のおかげで三男は助かり、相手を倒した。夜が明けて見るとそれは大きな山猫だった。それを煮るとその肉は全部シラミになった。
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オオカミ
1940年 石川県
山へ薪刈りに行って飯を食べていると、狼の子が出てきたので、飯を少し分け与えた。晩になって下山していたところ、親の狼が送りに出てきた。次の朝山へ行ったら、昨日切った薪が一荷になっていた。このようなことが続いたという。
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ジイサン
1939年 香川県
山奥で炭を焼いていると、爺さんがやって来て煙草を要求するので与えた。煙草を吸う間、炭焼きがおびえながら炭を竹串でつついていると、竹串が燃えて節が大きな音を上げたので、爺さんは驚いて逃げた。
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オオグチナワ
1968年 奈良県
昭和18年頃、炭を焼いている人が山を歩いていたら大蛇が現れた。大蛇は人の気配に驚いて木に巻きつき、首を立てて睨んだ。その人は怖くなって逃げ出し、やっとの思いで小屋に逃げ戻った。
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サル,タコ,バケモノ
1932年 兵庫県
旅の男が蛸に絞められている猿を助けてお礼にと風呂敷を貰った。その夜、宿に泊まっていると、大風が吹いてバケモノがやってきた。風呂敷を外に出し布団をかぶっていると、風が止んだ。朝になって見ると風呂敷の中はナメクジであり、バケモノはそれで滑ったようだ。
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ジゾウサマ,オニ
1934年 秋田県
昔、爺様が山へ柴伐りに行ったとき、転げた握り飯を地蔵に食べられてしまった。地蔵は爺様を鬼が博打をしているところに連れて行き、財宝を手に入れさせた。隣の爺様が真似したが、鬼に見つかって半殺しにされた。
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ヤマチチ
1942年 高知県
昔、ながそう村のえんねもんという山猟師が山で大きな男に出会った。山ちちというもので、「俺を食うつもりか」と聞くとニコニコ笑う。えんねもんは「俺を食うつもりなら面白い踊りを見せてやるからそれまで待ってくれ」と頼み、スットコトンのトコトコトンという踊りをおどると、山ちちは大きな口をあけて笑い出したので、その口をねらってうちこんだら、山鳴がして逃げた。
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