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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ロクブ,ヒノケサ
1935年 新潟県
六部の夫婦が鍛冶屋に泊めてもらった。鍛冶屋の主人は、妻の六部に横恋慕して、つぎの日、夫をだまして淵に投げ込んで殺した。それ以来、盆の16日に、淵の傍の木に緋の袈裟が掛かるという。また、鍛冶屋の子供には代々痣ができるようになった。

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コヘビ,フチノヌシ
1921年 岩手県
大正5年ごろ、腹帯の淵の付近に住む家族3人が同時に急病になったが、それは庭で赤い小蛇を殺したためだという。蛇はこの家の3番目の娘を嫁に欲しがった淵の主の使者であった。娘は恐怖のあまり病にかかり死んだ。娘が死ぬと3人の病気は治った。娘の屍を淵のほとりに埋めたところ次の日にはなくなっていた。それからというもの、娘の命日には家の前に必ず雨が降るという。また、淵に石木を投げ入れても必ずその家の前に雨が降るという。
類似事例

クマイムシロ
1956年 宮城県
昔ここにある武士の屋敷があり,そこの姑が嫁を憎みいつも意地悪をしていた。ある夏,嫁に麦を搗かせて十枚の筵に乾させ,密かに一枚を隠して嫁に罪を着せ,筵一枚分の麦を盗んで他に売ったに違いないと日夜責め立てたので,嫁は口惜しさに井戸に身を投げた。その後毎夜のように幽霊となって現れ,一枚,二枚,三枚・・・九枚と凄惨な声で数えたので次第にその辺りを通る人はいなくなり,その武士の家も病死や発狂人を出して絶家してしまった。その後明治末頃まで,雨が降ってもその屋敷後の地面の筵九枚分の跡だけは濡れないと言って子供達が見物にいったものである。
類似事例

タタリ
1922年 徳島県
桑野川上流に濁ヶ淵という淵がある。六部が持つ黄金の鶏と1寸四方の箱に収まる蚊張が欲しくて、ひと太刀浴びせて水の濁った淵に落とした。その家では六部の祟りで餅をつけば血が入るようになった。
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ニゴリガイケ,ロクブ
1943年 徳島県
昔、ある初夏の夕暮れ時に、某氏の家で六部が一夜の宿を乞うた。六部は桐の箱に入った黄金の鶏と、部屋の大小よって大きさが変わる蚊帳を持っていた。翌日、2、3人の若者に六部は斬られた。鶏は飛び去ったが、蚊帳は庄屋の手に入った。庄屋の家で餅をついていると、血の流れている足が2本天井から下がり、餅が血で赤くなった。六部の呪いだという。
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サカサヤツハシノイケ
1956年 宮城県
元禄の頃(1688~1704),清水小路の連坊小路寄りに浅間某と言う大身の侍の屋敷があり,八ツ橋の池と言う小沼があった。浅間某はこの池の辺の離れ家に綾目という愛妾を住まわせ,彼女を大変愛していた。しかし本妻撫子は嫉みから情夫大橋某と共謀して綾目を殺害,池の泥深く埋めた上,主人には綾目が不義を犯し出奔したと讒訴した。その秋,浅間某が歌舞妓五月女を宴席に侍らせた。五月女が化粧をしていると鏡に自分ではなく姉綾目女の顔が映る。他人に見せても五月女の顔に違いないと言うので不思議に思っていると,その夜の夢に綾目女の霊が現れ,自分は殺されて池の底に埋められている,怨念を果たしてほしい,と話して消えた。この話を聞いた主人が池の底を浚わせたところ,愛妾の遺骸が出てきた。五月女が再び鏡に向かうと,杜鵑が一羽そこからとび出して西の方に飛び去った。また,池の水がそこに通ずる小溝を逆に西の方に流れるようになったので,これを逆川(サカサ)と呼ぶようになった。
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ゴゼンサマ
1967年 福島県
乙女淵とか御前淵と呼ばれているところで、昔、大家の娘が紅花を摘みに行って、水鏡で自分の顔を見ていたら、御前様にみいられ淵の中に引き込まれた。その後、ある男が淵に鉈を落とした。鉈の柄が近くに見えているので取りに入ったら、前にいなくなった大家の娘が機を織っていた。娘は、ここにいることを誰にも話さないでくれと、布をくれた。男が淵から上がると3年が過ぎていて、家では三回忌が行われていた。もらった布はいくら切ってもなくならず、どこまであるのかとほぐしたら、そのとたん男は死んだ。盆の16日はこの淵へ流し機といって、機をつくり流すという。これをしなければケチがつくといわれ、どんなことがあってもやらなければならないといっている。
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ロクブノオンリョウ
1956年 宮城県
正保年間(1644~1648)の頃,同町の宿屋に一人の六部が泊まったが宿の主は六部の所持金に目がくらんで殺してしまった。数年後に弟分だという六部が来てその六部が泊まらなかったか尋ねたところ,主人は知らないと答えたが,灰の中から偶然見覚えのある笠の金具が出てきたので弟分の六部は全てを悟り,殺された友のために読経した。すると六部が幽霊となって現れ,この恨みに必ず報いる旨を告げ,弟分も呪法を結んで立ち去った。以後その宿屋には不幸が続いて子孫が絶え,その場所に住んだ者も皆不幸に見舞われたので幽霊屋敷,化物屋敷と呼ばれるようになった。
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ムソロクブ
1919年 徳島県
ある年の暮れに、川の渕で庄屋が、前の晩に泊めた六十六部を殺して秘蔵の宝物である金の鶏と蚊帳を奪った。血まみれになった六部の足は川へと滑り込んだ。その頃庄屋の家で下男が餅をついていると天井から血みどろの足がぶらさがり、1羽の黄金の鶏が現れ米を食い尽くした。その後片足と鶏は六部の笑い声と共にどこかへ消え。その後も色々禍が続いたので庄屋の主人は墓を建立した。
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ヘビ
1962年 徳島県
蛇淵という淵の上に家があり、痣や傷一つない、きれいな娘がいた。娘は、夜になると男がそばに来て寝ると訴えた。障子も開けず、ものも言わず、冷たい体だという。糸を付けた針を男の着物に刺して辿ると、淵の上に行きついた。そのうち娘は産気づき、おりものをたらいで受けると何杯分もの蛇の子が産まれた。竹藪に捨てると蝶々になって飛び、娘は死んだ。
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ロクブ,サル
1937年 兵庫県
狒々に人身御供にされそうになった庄屋の娘を六部が助ける。再び旅に出た六部が狒々の毒により倒れていると、爺さんと婆さんが助けてくれ、地蔵さんにこもるように言われる。その家の息子が戻って爺さんと婆さんを殺し、六部にその罪を着せた。初めに助けられた娘が六部の絵姿の異変によってそれに気づき、打ち首にされそうになった六部を助けた。
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ヘビムコイリ,マショウノコダネ
2001年 青森県
弟子が皆逃げ出してしまうような鍛冶屋のもとにある若者がやって来た。鍛冶屋は、逃げられまいとして、一人前になったら娘の婿にしてやると言って弟子にしたが、その働きぶりが余りにも良いので、次第にただ者ではないと思うようになった。そこで、若者が暇をもらって帰るときに跡をつけていくと、山中の岩窟へと入っていった。中の会話を聞いていると、子胤は置いてきたと言う若者の声に、別の声が、子胤は八皿酒を飲むことで堕ろされてしまうだろうと言っていた。そこで、鍛冶屋は帰って娘に八皿酒を飲ませた。
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ダイジャ
1975年 山形県
昔狩川に千貫長者がいた。ある夜立派な若者が訪れ長者の娘と恋に落ちた。娘は身篭ったが産気づかない。手を尽くしたが効き目はなかった。ある日六部が来て、姫を救うには邸内の松にある鳶の卵を飲ませよという。長者は若者を松に登らせたが、若者は鳶にさらわれ地面に叩きつけられた。六部は「私は以前あなたに助けられた蛙で、婿になりすましていた若者は私を飲みこもうとした大蛇で、沼の主である。蛇は恨みを晴らそうと婿になった」という。見ると婿は大蛇であった。産気づいた娘が生んだのは無数の蛇であった。娘は死に、六部は姿を消した。
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(タタリ)
1974年 神奈川県
延宝7年、相模国本目浦に八郎兵衛という大工がおり、その甥は悪人であった。扱いに困った八郎兵衛は、彼を縛って海に沈めた。その翌夏に妻が子供を産んだが、それが額に角があって甥の顔に似ていたのでまた殺したところ、死体はむくむくと持ち上がったという。そこでその遺骸を神子の口寄せにかけたところ、私を殺した恨みを子供になって晴らそうとしたができなかった。この上は火難に遭わせてやると言った。すると程なく八郎兵衛の網だけ燃え上がって焼失したという。
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(オンナ)
1939年 岐阜県
天城孫右衛門という宿屋があった。下女にしてくれと押しかけてくる女があり、仕方なく下女にしたがよく働くので主人は嫁にした。不思議と必要なだけ魚を捕る。魚と手と下駄の跡がある岩が嫁が淵付近にある。また何度でも使える麻袋も持って来た。嫁が魚を捕りに行くのを隠れて見ると黍畑から嫁が淵に入ってき、それ以来帰ってこなくなった。麻袋もなくなってしまった。
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ゴセンゾサマ
1982年 群馬県
六部が道に迷って老夫婦の家に泊めて貰った。お爺さんが「今日はお彼岸の中日だから若い衆がなにか持って来てくれるでしょう」と言ったので待っていたら、お爺さんが手ぶらで帰って来て、「腹が立ったから子供を火の中に突き落としてきたよ」と言った。変なことを言うなと思って寝たが、翌朝起きると六部は墓にいた。村へ行ってみると子供が大やけどをして騒いでいる家があった。ご先祖様を粗末にしてぼた餅をあげなかった罰があたった。
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オオイワ,サムライ
1985年 和歌山県
昔、美男の侍が娘のところに毎夜通ってきた。素性がわからないので、男の帰るときに着物の裾に糸をつけた針をさしておいた。翌朝糸をたどっていくと、岩穴の中に糸の端が入っていた。岩の側によると声がして「頭に金を刺されて、もう助からない。子供を作っておいたけど」と言われた。
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キツネ
1986年 石川県
化け石のところで狐が化かして、六という駄賃持ちはいつも油げをとられていた。若い連中と協議して油げを買い込み、六の母親に化けて出てきた狐を縛って火で炙ってこらしめた。あくる日、六が町へ行こうとしたら、山から狐が「おぞーい、六、おぞーい、六、怖しい六」と遠吠えした。
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ミミチリボージ
1958年 沖縄県
黒金座主という僧が妖術を使い邪教を広めて反乱を企てていた。そこで大村王子は自分の妾の髪にまじないを施し、信者に仕立てて黒金座主のもとに参詣させた。黒金座主は、妾が美人であったため妖術でまじないを取り除き、犯してしまった。これを知った大村王子は黒金座主を呼び、隙をみて耳を切り落とした。それがもとで黒金座主は死んだが、それ以来大村御殿には耳切坊主の幽霊が出るようになった。また、その祟りから大村御殿では男の子は育たないという。
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アキゾウヌシガフチ,バケモノ
1967年 福島県
弘源寺の近くを顕蔵主淵という。この近くに浪人夫婦が住んでいたが、弘源寺の僧が、その浪人の妻に懸想して何度も言い寄ったが、婦人は応じず、夫に告げた。怒った浪人は僧を切り殺し死体を川岸に捨てた。その後浪人がこの川岸を通ると、化けものが浪人の前に現れ、その後気が狂って死んでしまった。これは僧の祟りだといわれた。
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チイサナコドモ
1974年 岩手県
鍛冶屋には小さな子どもがいたが、家人には見えてもよその者には見えない。客が泊まると夜中に腹や胸がくすぐったくて眠れないという。家がかまどを返す前に顔の赤い小さな子どもが飛んで行き、その後客にいたずらすることもなくなったという。
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